《関サバ》の墨絵
温泉県と言われる大分県の空港には、足湯がある。
ま、これはそれほど驚くことではない。
ところが、大分空港には、かなり以前から、寿司屋がある。
それも本格的寿司屋。
出発ロビーのひとつ上の階、ラーメン屋の隣り。
レベルは高い。
なんせ、ブランド鯖の、《関サバ》を置いてある。
《関サバの握り》
最近、関サバも品薄となり、そうそう飲み屋でも置いてない。
売り切れ続出。
その関サバを2カン寿司でいただける。
もちろん、関アジも同様だ。
カウンターで食べるのだが、注文するときに、
客側の私から注文する場合もある。
鯖という魚の刺身を食べた事がない人も大勢おられる。
その抵抗感をなくす為に、この寿司屋では、
サバの切り身の上に、
大葉の葉っぱを半分ほど乗せてくれている。
「それを乗せないで」という注文だ。
鯖の臭みもニオイもすべて好きという私には、
大葉は余分なお手伝いと言える。
最高のサバは最高の状態で!
そしてこの店は、毎度最高の仕事をしてくれる。
特に冬場の関サバの身の締まり方と言ったら!
コリコリ加減がすさまじく、
間違って舌を噛んでしまっても不思議でない。
それなりの値段はするのだが、
それなりの思い出は残してくれる。
私の場合、これで一年生きてゆける。
大げさと、お思いでしょうが、実際、
《あの日食べた関サバ》を、
いまでもしっかり覚えている。
10年以内なら、どこの店、いつかを思い出せる。
その上残念なことに、舌を噛んだ店も思い出せる。
ソッチの方の記憶が鮮明なのが、哀しい。