以前、食器の底の《高台》こうだいの話をした。食洗器に入れて伏せると、高台の凹みの中に、
水が溜まってしまう悩みだった。
そこで、高台のない器がないものかと探し歩いていた。
しかしながら、そのようなモノは稀有な存在だと分かった。
稀有どころか、無い。
見つけるのに10年もかけるのは、意味がない。
問題は、食洗器内で水が高台に溜まらなければよいのである。
そこで簡単な方法をとる。
カット!
一部を切り取る。
出番となる工具は、電動グラインダー。
金属や、モルタルなど様々な物体を切ったり、削ったりする優れモノ。
握り棒の先っちょに、高速で回転するヤスリの円盤が付いている。
目と鼻の先で、信じられないほどの高速回転と轟音を発する。
ちょっと間違えば、指などすっとんでしまう。
とはいえ、慣れれば怖さはなくなる。
そもそも、夜光貝の磨きの為に買い求めたモノだ。
その後、いろんな働きをしてくれている。
私の手の延長として、なくてはならない工具になっている。
お助け頻度としては、電動ノコギリや電動サンダーをしのいでいる。
さすがに電動ドライバーには首位を譲っているが、
その座を脅かそうとしている。
首位の電動ドライバーには、ネジ回しというライバルがいるが、
グラインダーには、ライバルがいない。
我が家の車庫に鎮座している他の工具――
電動カッター、電動ポリシャなどの出番を奪い、脇役としては、
破格の働きで、ギャラの安さにめげていない。
さあ、そんなグラインダーの出番だ。
食器棚から、高台のある器を、車庫という名の工具室に運ぶ。
頭にはタオル、目に工具メガネ、顔にマスク、
両手には、ゴムの手袋、腰にはビニールエプロン、
そして足には長靴。
スイッチを入れると、車庫に轟音が響き、高速回転が始まる。
この時点で、もし犬がいれば逃げまどい、猫は丸くなる。
鉄の棒でさえ、カットできる優れモノ。
右手にグラインダーという凶器を握り、
左手に、器を裏向けにして持ち、イザ!
ギャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン
土で造られた器の底はいとも簡単に削られてゆく。
1センチほどのVの字カットを入れる。
次から次に、高台を削ってゆく。
そういえば、車庫のシャッターは閉めたまま。
ご近所さんへの騒音迷惑を考慮してのことだが、
かなりの轟音なので、それなりの迷惑をかけてしまう。
短時間で仕上げねば・・・
ギャ~~~~~~~~~~~~~~~~~ン
できた!
すぐに食洗器に向かう。
斜めに傾けて並べ置き、スイッチを入れる。
ご~~~~~ん
いつもは食洗器のやかましさに首をひねっていたものだが、
グラインダーのあとでは、かわいいものだ。
しかして、洗い終わった食器たちは・・・・
おお~すべてが水滴ひとつ付かずに、乾燥している。
成功ではないか!
*今回の発見
陶器も陶磁器もグラインダーの前では、同じくらいの硬さであった。