《アクリル板》透明のガラスに似た軽いモノ。
これを四角く切断している。
墨絵を飾る時の額の表面にいれる為だ。
ホームセンターなどで、写真や絵の額が売られている。
本格的な画材屋で買うモノより、数分の一という値段の安さ。
その分、枠の木は壊れやすく、表面の透明のモノも薄い。
軽さという面では、良いのだが、困ることがある。
薄い透明のモノは、歪みが大きく、光を反射しやすい。
するとどうなる?
展示している絵が見えにくい。
自然の光や、電灯の光が乱反射して、絵が歪んだりする。
では、どうしたら良い?
透明板を取り換えるのである。
思いたったら、ホームセンターに走る。
90×180の広さ、つまり一畳分のアクリル板を探す。
厚さは、2mm。
1mmや1・5mmも試したのだが、やや歪む。
2ミリの厚さがあれば、少々大きな額でも絵に影響はない。
アクリル板は、カッターナイフでは切れない。
専用のカッターが要る。(らしい)
「コレじゃなきゃ切れんで」
店の制服を着たオジサンが教えてくれた。
「最初の一刀は、軽く引くようにナ」
手振り身振りで、ご教授してくれる。
「最初からチカラを入れると、曲がるでナ」
確かにウチに帰ってから、いざ始めると最初から力を込めようとする。
ガラスに近い物体に切れ目を入れようというのだから、
入れ込む心理状態で、ただでさえ、とびだしている目の玉が、
剥き出しそうになる。
まず、床に大きなべニア板を敷き、その上にアクリル板を置き、
線引きした赤い線に定規を当てる。
問題は、同時に買い求めた定規。(冒頭の下のモノ)
長さが1mもあり、床にヒザをつき、左手で定規を押さえて、
右手で青い専用のカッターにチカラを込める。
ところが、定規の厚さは薄く、幅も狭く、
もし間違えば、左手が、カッターの刃の餌食になるかもしれない。
ピ~ポ~ピ~ポ~
救急車、外科、緊急手術、赤いランプ・・・
次々に映像が浮かんでゆく。
慎重に一枚のアクリル板を切り出したところで、
危険回避能力がふつふつと働きだす。
ホームセンターに舞い戻る。
「そりゃ、コレを使わんとやナ」
親切オジサンに、取っ手が付いた定規を薦められた。
(冒頭の上のモノ)
取っ手が高い位置に盛りあがっている。
値段も盛りあがっている。
とって返し、裁断再開!
おお~チカラが入りやすいし、赤いランプが灯りそうにない。
とはいえ、暑さ2ミリのアクリルを切り出すのは容易ではない。
額は沢山ある。
ふと床を見ると、汗が落ち、水たまりが出来ている。
切断2~3枚目までは、ボトボトと落ちていた汗が、
10枚目を過ぎた頃には、ジャ~とシャワーのような汗になった。
ティシャツを何枚も着替える。
こりゃ、額を造る職人は痩せるだろうな?
後日、感想を述べたら、大工さんがピシリ。
「機械で切ります」
アクリル切断 専用カッター