スイカの旨さは、なんだろう?「太陽の旨さだ!」と声高におっしゃる方もおられる。
「水分の最高の摂り方だ!」科学検証的な方もおられる。
「究極の料理だ!」
見た目から語られる美学を持たれる方もおられる。
いずれにしても、スイカが好きらしい。
「スイカが嫌い」という方にお目にかかった覚えがない。
いや、おられた。
今は亡き俳優佐藤慶氏。
メロンもキュウリも嫌いだったので、瓜系のモノが嫌いだったらしい。
慶さんのお宅に伺う際にスイカを抱えて行って、
バカモン呼ばわりされたものだった。
世の中にスイカ嫌いな人がいると知った初めての人だった。
そのことを忘れて、次にまた西瓜を抱えて現れ、
オオバカモンの罵倒をされるのだが、どうやら、懲りないのが、
オオバカモンのなりわいらしく、次の夏には、
再び、また叱られるを繰り返す。
ギラギラ照らしつける太陽を麦わら帽子で防ぎながら、
かぶりつくスイカは、
夏という季節を育んだ日本の宝であろう。
私の最近のスイカのモードは、
《ラグビースイカ》
文字通りのラグビーボールの形をしたスイカ。
形が魅力なのではなく、味わいにシビれている。
シビれの食べ方は、輪切りにしたりする。
そもそもの《瓜》を思いうかべる。
たとえば、キュウリは、トントントン輪切りにする。
スイカとは西瓜と書き、西の瓜だ。
であれば、輪切りに慣れているハズ。
まん丸の西瓜は輪切りするには、包丁の長さ問題で、
易々と輪切りに適していないが、
ラグビーボール型は、
「輪切ってくれ!」と願う形をしている。
願われたら、輪切るしかない。
ジャクッ!
ああ~いいなぁ~クリスマス色、緑と赤の輪っか!
スプーンでほじくるチカラがみなぎる。
みんなで食べた場合、繰りぬいた輪っかを元通りに繋げば、
ラグビーボールが復活する。
濡れた断面をくっつける接着剤がないだろうか?
上手に切って、上手に食べて、上手にくっ付ける。
断面がバレなければ、軽いスイカのできあがりとなる。
いつか完成したら、お披露目したいものだ。
