日本対サモア ラグビーワールドカップの戦い。
ラグビーでは、南太平洋の国々が勢力を増している。
サモア、トンガ、フィジー。
彼らの戦いに、南の国の人たちの姿を観る。
ところが・・・・
今から60年以上前には、
南の国の人を見た事がある日本人は少なかった。
1961年に《モスラ》という映画が封切られた。
東京オリンピックの3年前である。
ザ・ピーナッツが歌うモスラを呼び寄せる歌が、
映画の中で歌われる。
そのバックに、南の島の村民が踊っている。
映画では、村民たちを日本人が演じていた。
黄色人種の日本の俳優たちが、
茶色のドウラン(身体に塗るファンデ―ジョン)を塗りたくり、
南の島の人たちを演じていた。
どう見ても日本人の顔つきをした日本人が、
色を茶色に塗っただけで、南の島ビトを演じている。
振り付けられた踊りも、ドンタタドンタタと叩かれる
日本古来の太鼓のリズムに合わせて、
日本の祭りを再現している。
悲しい事に、当時の日本の俳優は痩せていた。
つまりは、この時代の日本人は、
サモアもトンガもフィジーも知らない。
よもやその国の人たちを見たこともない。
だから、ガリガリの日本人俳優が、
ザ・ピーナッツの歌に合わせて、神代の儀式を、
再現していたのである。
そして今、日本チームとサモアチームが戦っている。
ボッチャリしたサモアのチカラ強さに向かってタックルする、
日本チームの逞しさに、感動を呼ぶ。
試合が始まる前に行われる彼らの儀式のような踊りを、
ぜひ、モスラ映画の中で演じて貰いたかった。
それらの踊りは、こう呼ばれている。
《ウォークライ》
それぞれの国で呼び名が違う。
ニュージーランド == ハカ
トンガ == シビタウ
サモア == シヴァタウ
フィジー == シンビ
いずれにしても、勇壮で面白い。
アレだけをやりたいと思っているラグビーにわかファンもいる。
ニッポン勝利に酔う!