藤井聡太《将棋タイトル全冠制覇(八冠)》 昨日夜、9時のことである。
30年近く前、同じ戦いがあった。
羽生善治(はぶよしはる)が、全冠制覇(当時7冠)を達成した。
その日、テレビを観ていた。
しかしながら、当時は、すべての生放送はなかった。
今回は、ほぼ完全生中継であった。
時代が、我らに生のチカラと見せつけてくれた。
逆転につぐ逆転、二転三転。
ある一手の瞬間、解説者である元名人佐藤康光が、
「アッ!」と声をあげた。
棋士が、こんな声を出すことは珍しい。
お医者様が同じ声を出したら、問題となるが、
棋士の場合は、とんでもない事が起きた証左と言える。
その瞬間、AIの評価が、大逆転した。
実に面白く激しい戦いであった。
昔の将棋の棋士は、みなニックネームが付けられていた。
《地蔵流》だの《高速の寄せ》だの皆な、
ユニークな名前があった。
ところが、羽生はなぜか、ニックネームが無かった。
《ハブにらみ》などという呼び方はあったものの、
戦型があまりにも、すべてを網羅していたので、
ニックネームが付けにくかったらしい。
あえて、言われたのは、
《羽生マジック》
追い詰められても、奇策とも思える手を繰り出し、
マジック(魔法)などと言われた。
そして、今、藤井聡太は、ニックネームが無い。
同じく様々な戦型を操る異能の棋士である。
強すぎると、ニックネームはつけにくいようだ。
世の中では、突拍子もないことが起きると、
「もうこんなことは、未来永劫起きない」
と言われる。
羽生7冠達成の時も、その言葉が街にあふれていた。
っと、いう事は、
ユニコーンだの宇宙人だのと言われている、二刀流の彼を、
超えるヒトが、この先、必ず現れると示唆している。
未来は明るい!