昨日、ワラサの話しをした。出世魚の名前を羅列した。
もう一回、並べてみよう。
モジャコ
ワカシ
イナダ
ワラサ
ブリ
関東では、五つの名前で呼ばれている。
ところが、20~30年ほど前から、もう一つ付けられた名前がある。
《イナワラ》
イナダとワラサの間に、割り込んできた。
イナダは1キロほどの魚体
ワラサは、2、5キロ以上。
すると、その中間の2キロほどの、腹がでっぷりした魚体を見て、
「イナダだ」と言う人と、「ワラサだ」と言う人に分かれた。
釣り人とは、釣れた魚を自慢したがる。
誰もが大きく言いたがる。
当然ながら、船に取りこんで暴れている魚を見て、
「ワラサだな!」
感激の声をあげる。
すると目の前にいた友人が、
「いや、イナダだよ」
言わずもがなの、やな発言をする。
これが、悔しい。
あいまいゾーン、グレーゾーンに位置する大きさの魚を、
なんとか引き上げたい。
「なんだ高校生か」
と言われるより、
「もう立派な大人だね」
と言われたい我々である。
そこで、《大学生》あたりに話しをまとめようとするチカラが働いた。
イナダのイナと、ワラサのワラを取って、
《イナワラ》という大学生が生まれた。
イメージでは、2キロ~3キロの大きさだ。
長さで言えば、55~60cm
出世魚として、すでに5つも名前があるのに、
まだ欲張って新たに増やしたのには、たぶん理由がある。
実は、イナワラが最も旨いのである。
ヒツジ肉で例えれば、
《フォゲット》の肉。
ラム(幼)とマトン(成)の間にあるカテゴリー。
柔らかさは残しながら、香り豊かなふくよかさ。
ということは、ある意味、羊も出世動物と言えまいか。
さて、イナワラ釣りに出かけましょうかねぇ~
朝、4時起きです。
