秋の空は美しい。それは、雲が演出に関わっている。
夏のエキセントリックな入道雲がなくなり、
刷毛で描いたような筋状の雲が主流となる。
すると、夕暮れ時には、オレンジになったり赤く染まったりして、
空を暖かく見せつける。
夕暮れ時の海の色も、時間と共に、変わってゆく。
パステルカラーの青からグリーンに進み、
やがて、虹色に移りゆく。
虹色とは全部の色という意味だ。
その中でも、波打ち際の潮の引きしなに見せる色は、
格別である。
砂の表面に一瞬残った塩水が、鏡となり、
空を映し出す。(冒頭写真)
太陽が背後にある時の色は、青とも緑とも、紫とも言えそうな、
微妙な色。
渡り蝶々の、《アサギマダラ》の色合いに似ている。
アサギマダラは、春に日本まで飛んできて、
秋に帰ってゆく。
よくまあ、チョウチョのあんな飛び方で、数千キロも飛べるものだ。
日本に来る時は、西から東なので、偏西風に乗ってこれるが、
帰りはどうするのだろうか?
逆風じゃないのか?
それとも、いったん南の方角に飛び、偏東風を使うのだろうか?
いずれにしても、ごくろうな生き方をしている。
ある意味、旅人としては、うらやましい。
アサギマダラ