
《編笠山青年小屋から富士山》
昨日、眠る話しをした。
そういえば、50年近く前、アルバイトに明け暮れる日々があった。
一日に3つのアルバイトを掛け持ちしていた。
一日のスケジュールを列記してみよう。
・朝、10時~17時
《ビル掃除》
銀行の床の掃除の為に、毎日違う支店に向かう。
廊下や会議室などの床という床を洗剤で洗い、
ワックスをかける。
その場で、お金をもらって帰る。
・18時~23時
飲み屋で、雑仕事。
フロアでの注文受け、配膳、皿洗い、掃除などなど。
月払いで受給。
・23時~翌10時
ホテルのフロントで徹夜仕事。
受付にはじまり、フロント業務すべて一人でやる深夜仕事。
この3つを掛け持ちで、21時間働いているから、
睡眠時間は、一日、3時間ピッタリ。
10時にコテンと眠ったら13時にガバと起きる。
相当深い眠りに落ちているらしい。
ホテルに棲みこみなので、
地下のボイラー室の隣にある小部屋で寝起きする。
ボイラーとは、けたたましい音量と奇音を発し、
すぐ隣りで誰かがしゃべっても聞こえないほど。
会話する際は、紙に書いて伝達していたほどだった。
その音量が、サーモスタットによって、
スイッチが入ったり、切れたりする。
音も振動もすさまじい。
とても眠れる環境ではない。
ある夜、友人が家に帰れなくなったと、泊まりに来た時、
その部屋に案内したのだが、
30分後に、「ふざけるな!」
と吐き捨てて帰って行った。
その後、公園のベンチで寝たそうだ。
さような爆音でも眠れるようになるらしい。
その代わり、一日、5食の食事をしていた。
(当時、アルコールは飲んでいなかった)
4年間のホテル棲みこみの期間、
結果的に、爆睡訓練をしていたのかもしれない。
《住み込み》という漢字を、
《棲みこみ》と書きたくなる生活環境であった。