この10日間、8回飛行機に乗っている。搭乗日には、早朝起きたらまず、
テレビをつけ天気をチェックし、録画しておいた番組を見ながら、
朝食をパクつく。
番組とは、
《メーデー飛行機事故の検証》
飛行機が墜落したり、暴走したりがなぜ起きたのかを、
実録風に俳優を使って、ドキュメンタリーにしてある。
「なにも飛行機に乗る日の前に?」
いぶかしがる方もおられるが、覚悟の為である。
飛行機は怖くない。
相当揺れる時でも、冷や汗程度で済んでいる。
窓から、眼下の地上や雲を眺めているのが好きだ。
だから窓側の席が予約できなかった時は、
本の読書の世界に入る。
入るものの、すぐに眠くなってしまう。
これは、列車に乗った時も同様で、困った習慣が身についた。
グゥグゥ・・・・・
機内では、3回起こされる。
「機長です。ただいま兵庫県の上空を通過し、順調に・・」
順調ならば、連絡してくれなくても構わないのだが、
報告をしなければならないらしい。
キャビンアテンダントにも起こされる。
「まもなく機は下降に入ります。今の内にトイレなど・・」
起きて目の前を見ると、前の席の背中に張り紙がある。
「お目覚めですか?お飲み物など・・・」
お決まりの張り紙なのだが、もしこれまで貼られていた紙を、
全部集めたら、分厚い日めくりカレンダーができるだろう。
「間もなく着陸態勢に入ります、お使いの背もたれ・・・」
いつもの注意が続く。
「背もたれとテーブル、足置きを元の位置に・・・」
このアナウンスを聞くたびに、ふとイタズラ心が湧いてくる。
もし、わたくしがキャビンアテンドだったら・・・
「まもなく着陸態勢にはいります。ファーストクラスのお客様、
お使いのベッドを元に戻し、
足湯のスイッチをお切りください」
こんなアナウンスが流れたら、後部座席から、
怒号が生まれるだろうな。
「あんだと!足湯ってなんやネン!」
ただし、フラットベッドはある。
コロナの間、飛行会社では、海外用の飛行機を、
国内便に使っていた。
いまでも、それが使われている。
たま~にであるが、その機に当たると、
いわゆるビジネスクラスのチェアに座れる。
イスが完全にフラットベッドに動かせるのである。
すると、当然、興奮する。
たったⅠ時間のフライトなのに、
真っ平になったベッドに横たわり、
眠れるハズもなく、音楽やテレビやゲーム機などを、
いじりまくっていると・・・アテンダントの声。
「お客様ぁ~そろそろ着陸の時間が・・・」