昨日、スポーツ観戦は格闘技だと述べた。柔道に続いて、他の競技を観てみよう。
《バレーボール》
この競技の場合、ソファに座って観ている私は、
常に、守りについている。
敵が打つスパイクをレシーブしている。
両腕をくっつけて、前に出し、
強烈なスピードで飛んでくるボールをバシっと受ける。
打たれても打たれても、バシッと受ける。
時には、横に片手を出し、バシッと受ける。
ものすごい反射神経を発揮しなければならない。
だから、敵がネット際でジャンプした瞬間、
全身が張りつめる。
(来るゾ)
ときに、クイックで打たれると、タイミングをヅラされて、
反応が遅れたりする。
ソファから、ズリ落ちそうになる。
(あ、ああ、ああああ)
とても残念な声が出る。
反応できなかった自分を恥じている。
(クイックなんて、当然のテクニックじゃないか)
周りに誰もいないのに、ミスを謝ろうとしたりする。
特に、マッチポイントになって、相手のサーブの際、
緊張は最大に高まる。
ソファに座り直し、前傾姿勢になる。
両足の内股をしめて、足の指にチカラをいれる。
首を縮めて、まばたきをやめる。
両腕は、恐竜の手のようになって、胸の前でかまえている。
(くるゾ)
心の声が息となって吐き出る。
実は、バレーボールは、休み時間が多い。
ピッ
笛が吹かれるたびに、次のプレーが始まるまで、
結構な時間がすぎる。
その間、台所に飲み物を取りに行ったり、
とりこんだ洗濯物を畳んだり、
お風呂の水を抜いたり、
短い時間なのだが、一定のインターバルがある。
ある意味、観戦しやすい競技かもしれない。
ずっと緊張状態が続くと、身体がもたないし、
それ以上に、他の事がなにも進まない。
観戦しながら、同時進行できるモノがあるという、
ユニークなスポーツと言えよう。