秋の木の葉狩りをする。 家の垣根の樹木の刈り取りである。
本来この作業は、夏の間に行わなければならない。
しかし、先年の真夏にソレをしてみたところ、
あまりの暑さに、さすがに音をあげてしまった。
木の剪定というのは、意外と時間がかかるもので、
真夏に2時間の炎天下の枝落としは、
終わった後の疲労感が、《困憊》であった。
(こんぱいという漢字が書けないことに気づいた)
そこで、今年は、9月にやろうと決めたのだが、
それでも充分暑い。
という事で、10月にズレこんだと、思いきや、まだ暑い。
結局、11月中旬とあいなった。
脚立を立てて、その上から長いハサミで、チョキチョキやる。
移動のたびに、脚立を動かす。
その繰り返し。
すると・・・
塀の横を通りかかった女性の方が、声をかけてくる。
「あ~あぶないヨォ~」
「ありがとうございます、平気ですぅ~」
「うわぁ~落ちたらどうするの?」
「大丈夫で~す」
脚立は、5段ほどで、高さは身長ほど。
一番上に立ったとしても、いざとなれば、飛び降りればいい。
ところが――
「あのネ、主人の友人が、2段目から落ちて、大怪我したの!」
脚立の2段目から落ちて大怪我とは、随分軟弱な方かもしれない。
(上から2段目かな?)
しかし、彼女が指さしていたのは、下の方だったから、
やはり下から2番目だと思われる。
普段高い所に登らない(特に)女性の方は、
脚立程度でも、大騒ぎしてくれる。
これで、屋根の上にでも登ったら、気絶してくれるかもしれない。
穂高の岸壁登攀の映像など見せた日には、
110番通報されるかもしれない。
なぜ、女性は高い所を怖がるのだろうか?
《高所恐怖症》という一言で片づけていいのだろうか?
私は、こう思う。
《腕の筋肉に自信がないと怖くなる》
男に比べて、平均的に上腕筋が弱い女性。
「腕ヂカラがない」という言い方もされる。
すると、高い場所でふらついた場合、
とっさにぶら下がる筋力が足りない。
保持力が少ないのである。
以前、肩を脱臼して、2カ月ほど右腕が使えずに、
過ごしていた期間があった。
その後、リハビリに励んだのだが、
その期間、高い所に行きたくなかった。
脱臼が治っても、筋力が回復するまで、木登り的な事を、
避けていた。
「怖かった」 のである――高い所が。
もし、何かあった時に、身体を保持できないのが、
こわい。
なるほど、ケガもしていないのに、女性が怖がるのは、
この辺に答えがあるような気がする。
その証拠として、クライミングをしている女性は、
高い所を怖がらない。
以前怖がっていた人でも、怖くなくなったと言う。
そして不思議な事に、クライマーの中にも、
高所恐怖症な人がいる。
自分で登る岩場は怖くないのに、
エレベーターであがった屋上のヘリは怖いのだ。
わたし自身、そのケがあるので、よく分かる。
よし、葉っぱつきの枝がゴミ袋7ハイできた。
ごくろうであった。