《ソウダカツオ》 本ガツオに比べて、小ぶりなカツオで、主に、
鰹節の原料となる魚である。
鮮度が落ちるのが早い。
その上、身が柔らかいので、刺身にしづらく、
スーパーの鮮魚売り場では、滅多にお目にかかれない。
行きつけの魚屋さんに、秋になると《ソウダカツオ》が並ぶ。
今朝釣れたばかりの、鮮度あふるる銀色の姿。
買わいでか!
カツオと名の付く魚は、さばくと、大量の赤い血が噴き出る。
エプロン無しでは、マナイタの前に立てない。
さばき方も、他の魚と違い、空中に吊るしてさばく。
包丁も文化包丁でことすむ。
三枚におろしたら、あとは血合いの部分をしっかり残して、
柵にする。
新鮮な魚は、血合いも旨い。
釣り人は船の上で、血抜きをしたがるが、その日中に食べるなら、
血合いがあった方が旨い。
明日以降食べる場合に血抜きをすべきだと、思う。
特に、白身の魚は。
ソウダカツオなどは、もちろん血抜きはしていない。
よって、台所のシンクがまっ赤っ赤となる。
包丁で丁寧にさばいてゆけば、身はキレイに柵となる。
あとは、刺身にするだけ。
秋のソウダカツオは脂がのっており、柔らかくて、
独特の旨さがある。
なんたって干せば鰹節となるのだから、
うま味成分のグルタミン酸の塊りなのだ。
世の料理の旨味の主成分を食べているのである。
これで横に、昆布出汁のうしお汁のお椀を沿わせれば、
完璧となる。
どうです?日本酒で。