昨日、ソウダカツオの旨さを解いた。 その舌の音が乾かない内に、本家のカツオを手に入れてきた。
《本ガツオ》
この《本》の文字は、本家の本だと思われる。
決して、《本物》とか、《本当の》とかではない。
したがって、ソウダガツオが、《偽物》とはならない。
やはり、魚は大きくなれるのは有利だ。
ガタイがでかいというのは、生きていく上で、圧倒的に得である。
「襲われる」確率が下がる。
海中を泳ぐスピードも勝る。
その分、筋肉が発達し、脂肪もふえる。
歯ごたえと旨味が増す。
カツオにもいろんな種類がある。
《ハガツオ》、《ヒラソウダ》、《丸ソウダ》、《スマガツオ》など。
その中で、日本で最も食べられているのが、《本ガツオ》。
漁獲量が多い。
日持ちがする。
食べておいしいのは、他のカツオたちも負けていない。
ハガツオは上品だし、スマガツオに至っては、
脂の乗りが、マグロのトロである。
さて、台所でエプロン姿の私。
血だらけの解剖の時間。
いくら血が噴きだすと言えども、決して、
水でカツオの身を洗ってはならない。
水は、うま味成分をも抜き出してしまう。
他の魚でも、同じこと。
水を使うのは、はらわたを出した時、その腹を洗ったら、その後、
水は、マナイタと包丁を洗うだけにする。
どうしても、魚の血を拭いたければ、
キッチンペーパーか布で拭うべし。
さて、出来あがった本ガツオの刺身。
腹身の部分の皮は残しておいた。
皮と身の間に旨味の結晶がつまっている。
ゴクンッ