この緑色の物体は何だろう?台所の壁に私が貼り付けたモノだ。
答えは――
《スナップえんどう》のスジである。
エンドウ豆にはスジがあり、取らないと美味しくない。
昔、母親に言われて、スジ取りをさせられたものだった。
ところが、このスナップえんどう豆には、
両側にスジがある。
取りにくい。
なんとかして取ると、冒頭のスジ物体ができあがる。
2本しか足のないタコに見えなくもない。
そして私は、このエンドウ豆の事を、長年、
《スナックえんどう》だと思っていた。
《プ》ではなく、《ク》。
つまり、スナック菓子のように食べるから《スナックえんどう》。
生でそのまま摘まんで口に入れて食べるという意味である。
《プ》だと気づいたのは、今日この頃。
いつから《ク》だと口にしていたかと言えば、
10年このかた。
人前でも、堂々と《ク》と喋っていたが、いかんせん活舌が悪く、
人は、《プ》だと、良心的に聞いてくれたようだ。
では、なぜそれに気づいたのか?
昨日、このスジの摂り方があまりにも難解なので、
私としては珍しく、パソコンに打ち込んだ。
「スナックエンドウのスジの摂り方」
すると、
「スナップエンドウではありませんか?」
と書かれてあるではないか!
さらにその直後、
スナックエンドウとスナップエンドウの違いなる文章を見つけた。
そこには、二つの違うエンドウがあると書いてある。
なぬ?
私は、これまで、どちらがどちらか分からず、
たぶんどっちかを食べていたのか?
どっちを買ったのか?
どっちを食べたのか?
知らずに食べ、「今日のは少し固いナ」
妙な感想を述べたりしながら、
サラダに入れたり、煮物に入れたり、
口に出す時は、「スナック」と言い、
頭の中でも、スナックと考え、
もし、これがご兄弟ならば、
片方だけの名前に挨拶しながら生きてきたことになる。
今気づいて良かったのだろうか?
一生知らずにいた方が良かったのだろうか?