サバの刺身の話を、昨日したので、今日は、 シメサバに特化してみよう。
「シメサバが好き」と公言するのは、酒場放浪記の吉田類氏。
目がないらしい。
それは彼に限ったことではなく、世は公言したい方で満ちている。
《シメサバ感謝デー》なる大会を開けば、未曾有の来場者が、
押し寄せるだろう。
シメサバ造りにも、いろんな流儀がある。
・塩の時間
塩そのものにコダワル人
・酢の時間
酢そのものにコダワル人
コダワリビトが、シメサバを造っている。
時間だけを言えば、私の場合、
自分で釣り上げたサバで、その夜食べるのなら、
・塩1時間、酢30分で仕あげる。
魚屋で買い求めたのなら、
・塩3時間、酢1時間
大きさによって、時間は伸びたり縮んだりする。
酢の中に昆布を入れたりもする。
砂糖は入れないが、真冬には、みりんを入れたりする。
いずれにしても、サバ次第である。
良いサバなら、どんな〆方をしても、ただ旨い。
サバの亡くなり方が一番大事である。
釣り上げた直後の扱いが大切だ。
すぐに〆てしまうヒトもいるが、しばらく泳がしていた方がいい。
死を感じ暴れて釣れ上がった魚を、しばらく静かに泳がす。
身体の熱を冷ます時間が必要だ。
その後、一気に〆てしまう。
エラを手でむしり取って、内臓も取り出す。
しばし、海水で血抜き。
新聞に包んでクーラーボックスに入れる。
身を、氷に調節あてない。
触っただけで手の熱が移り、身焼けすると言われるサバ。
身焼けとは、身割れとも言われる。
あんなに暴れる割には、繊細な身体をしている。
「んなこたぁしねぇヨ」
と、目を細める方の意見も正しいかもしれない。
それぞれが、シメサバに関してはコダワリを持っている。
船の上で、サバを絞めていたら、
「シメサバですね」
と言われたのが新鮮だった。
《シメサバ》がサバの種類だと思っている人がいるのも、
楽しい。