なぜ、あんなに速く泳げるのだろう?
プールで泳いでいると、時折、ものすごく速く泳げる人がいる。
それも女性。
私が、25m泳ぐ間に、50m進んでいる。
いやもっとかもしれない。
ぶつからない為に、その女性が泳ぎ始めた直後に、
壁を蹴るのだが、反対側の壁にたどり着いた所で、
振り返ってみると、もう、私の背後にせまっている。
つまり、2倍3倍の速さで泳ぐ。
こんな方にたびたび出会う。
私がとりたてて遅い訳ではない。
明らかに、彼女の水泳は速い!
不思議だ。
例えば、トラック競技の短距離走を見ていると、
速い人たちは、明らかに、ピッチが速い。
足の回転が速いという言い方をしよう。
一歩一歩を動かすスピードが速いという意味だ。
その上で、蹴るチカラが優れているので、トータルで速い。
ところが――
プールでは、彼女たちが動かす腕と足の動きは、
私とピッチは変わらない。
むしろ、私の方が、忙しい動きをしている。
焦っているようなクロールと言えよう。
ヒトが見れば、溺れかかっていると思われても仕方ない。
(本人はキレイなクロールと思っている)
「独特なクロールですね」
以前、泳ぎのイントラに言われたものだった。
彼女は、なぜあんなに速く泳げるのだろうか?
腕を動かす筋肉だけをみれば、私の方が強いだろう。
蹴る足だって、強いだろう。
だが、なぜかスピードに差があり過ぎる。
少しだけ速いというのなら、分からないでもない。
しかし、2倍3倍は、どういう原理なのだろうか?
そして、その彼女が、ロイター板を腕に抱えて泳ぎ出した。
つまり、腕を使っていない。
なのに・・・・
私を追い越して泳いでゆくのだ。
信じられない。
たぶん、彼女はその昔、
名前を知られた選手だったに違いない。
胸にメダルを下げたことがあるのだろう。
だったにしても、なぜ水の中では、
あれほどスピードに差があるのだろうか?
仮にウサインボルトと私が100m走をしたとしても、
2倍の距離はひらかない。
なんなんだろう、水泳ってやつは?