《奇人たちの朗読会》 後藤ひろひと作演出
2月4日(日曜)公演、大阪にて。
(ホームページに掲載)
たった一回だけの舞台公演である。
後藤ひろひとなる作演出家とは、25年前に出会った。
風貌が、サルバドール・ダリのような、ヒゲを生やし、
あまりお近づきになりたくないと思った。
ところが――
ひとつ舞台を過ごす時間を経て、その才能に感化してしまった。
基本的に、メルヘンのエンターテイナーである。
と、表現すると、ディズニー的に思われるかもしれない。
ディズニーは動物が大好きだが、彼は、虫好きである。
自宅でカブトムシのふ化をしている奇矯な方である。
そして、高所恐怖症。
そんな演出家が、ディズニーのように、
虹の彼方に空を飛んだりできる筈もなく、
センスある奇ッ怪ィな世界をつくりだす。
それとて、笑いの世界には違いない。
なんといっても、作家として吉本興業に所属している、
山形県人である。
なぜ、東北の出身者が、東京をとびこして、
大阪へ旅立ったのだろうか?
最近風貌が、ダリのピンと跳ね上がったヒゲを、
キープできなくなった。
色も黒から、まだら白に移行している。
ただし発想は相変わらずで、面白い。
今回の舞台は、女優秋本奈緒美も参加し、
麗しき味をみせてくれる。
彼女も、後藤ひろひと信奉者のひとりだ。
みずから「舞台に出させてください」と、
まだヒゲがダリ状の後藤ひろひとの元へ押しかけた熱狂者だった。
余談だが、秋本奈緒美とは、2時間ドラマでしばしば共演している。
作品によって、どちらかが、どちらかを殺害するという、
痛ましい役を演じあっていた。
「あの時の(ドラマ)は、どっちが殺したんだっけ?」
喫茶店では、声を秘そめなければならない会話ばかりしていた。
舞台としては、今回が初共演となる。
さて、いかがなりますやら・・・