「金メダルを絶対とります、と言ったらウソになりますけど・・」 この文言の言い方、
「ウソになりますけど」
のワードを、誰がいつ語り出したか、知らないのだが、
とても使い勝手の良い言葉だなと思う。
本当は、「金メダルを取る」と言い切りたいのだが、
言ってしまうと、ウソつき呼ばわりされるやもしれないので、
あらかじめ、「ウソ」と自ら発することで、
逆襲をさけようとしている。
この言葉は、ここぞという時たまに使うと、それなりの効果がある。
しかし調子に乗って口癖になると、まずい事態になる。
たとえば、一回のインタビューで、これが3回も登場すると、
聞いている方は、「アレッ」となる。
さっきも聞いたし、いや、何度も聞いたゾ。
するってぇと、ホントは、全部ウソなんじゃないの?
疑いを持たれて、信用を失くす。
「これが食べられないと言えば、ウソになりますが、
いつわりのない気持ちで述べるとすれば、
やはり、食べられると言うのがウソになるかもしれません」
え~どっちやねん!
「いつわり」だって、訳せば、「ウソ」じゃないかぁ~
「大臣、じゃぁ、ウソをついていたんですか?」
「いや、ウソを言うつもりなど毛頭ございませんが、
ここは、『記載を忘れた』と言えばウソになるかもしれませんが、
『忘れた』という事実は、きちんと正直に述べておりますからネ」
よくわからん話術にはまってゆく。
ようは、喋り言葉というモノは、きちんと説明しようとして、
長々と喋れば喋るほど、聞いている側には、
難解になってくる。
逆に言えば、相手がよくわからん状態にしたければ、
長々喋れば良い、となる。
話しの途中に、
「たとえば・・・」
「かいつまんでお話しすると・・・」
「整理してみましょう・・・」
「逆の言い方をすれば…」
「話しの原点にもどって・・・」
このワードは、いっけん、
分かりやすく説明しようとしているように聞こえる。
しかし、おそらく終わってみれば、ケムに巻かれた気分になる。
私から、もしこのワードが聞こえたら、
知らんぷりして、すぐに遊びに出かけた方がいい。
あと、これも同様のワード。
「最後に、ひとこと付け加えさせて貰えれば・・・」