ブランド物に興味がない。 バッグや服など、いわゆるブランド品というモノは知っている。
それぞれの名前も知っているし、「これは〇〇だね」と指摘できる。
なのに、それらにまったく興味がない。
興味がある方には、大変申し訳ないのだが、
ないものを、あるようにするのは、無理がある。
たとえそれらが、どんなに値が張るものであっても、
あえて欲しくないし、貰いたくない。
「アンタになんかあげないよ」
言われても、なんともない。
この状態は、今、そうなったのではない。
生まれてこのかた、ブランド品に惹かれた日々はない。
なぜか、そこは欠落している。
とはいえ女性の方が、ブランド品に惹かれる、
そのこころもちには、興味がある。
ひょとすると、男子がプラモデルやクルマに惹かれたのと、
相通じるものがあるのかもしれない。
(間違ってたらごめんなさい)
ブランド物を買わないとなると、その料金が浮く。
私の場合、それが、旅費に変わる。
移動代に充てられる。
つまり、目に見えるモノから、見えないモノになる。
物体として残るものから、思い出として残るものへ変わる。
「いいえ、バッグだって心に残るのヨ」
と言う方もおられます。
かまいません、それも面白い生き方です。
ブランド品を例にとっているのであって、非難はない。
1;実物があるのが好きなヒト
2;消えてしまうモノが好きなヒト
仮に、ふたつに分類すると、私は圧倒的に、
2のヒトである。
そもそも役者を目指したのも、
すぐ消えてしまう舞台が好きだったからだ。
自分のモノをいっさい使わずに、そこにいられるのも面白かった。
下着だけ履いていけば、役者はなりたつ。
なんなら下着すら準備してもらえる職業である。
《素っ裸》という素材だけ差し出せば、道具はすべて揃えてくれる。
ときには、ブランド品とて身につけられる。
スペシャルカーも運転できる。
見た事もない大きな机に両足を乗っけることだってできる。
元々シンプル好きだった人間が、役者という職業によって、
さらにシンプルを求めるようになったのは、道理だろう。
だからだろうか、飲み物でもっとも好きなものが、
《みず》というのは、ずいぶん安あがりなヒトである。