《モルゲンロート》という言葉をご存じだろうか? 山の中に泊まると、朝陽が登る時に見られる現象だ。
晴れている朝、東の空からお日さまの光がさしこんでくると、
まず、山のテッペンに光があたり、輝きだす。
日本アルプスの頂きだと、朱色あるいは、金色に輝く。
それらの輝きは、次第に下に下に降りてくる。
ある程度降りると、色があせてきてしまう。
《モルゲン》とは、英語で《モーニング》
《ロート》とは、《赤》
(目薬ではありません)
ここで質問。
「では夕方に出る同じ現象は何?」
朝焼けなら夕焼けがあるハズ。
答えは、最後に――
冒頭の写真は、北八ヶ岳にある双子池ヒュッテの朝食中に、
ガラス窓の向こうに現れたモルゲンロート。
よくあるソレは、岩が赤くなるのだが、ここでは、
樹々が金色に燃え上がっている。
写真をよく見ると、もっと高い所の稜線もチラと見える。
となれば、そこに最初に光が当たるべきだ。
この日は、霧のような雲が湧いていた。
稜線の東にはおおきな雲があって、稜線には光が当たらない。
さらに風も風速20mを越えていた。
その風に吹かれて、お日様の光をさえぎる雲が、
現れては消える。
まるで劇場の照明が点いたり消えたりするさまに似て、
5秒単位でスポットライトの点灯がくりかえされる。
カメラを構えている一瞬に、ロートが消えたりする。
~~質問の答え~~
《アーバンロート》
ドイツ語で「abend」 夕方を表わすアーベント
正確には、《アーベントロート》というべきだが、
なんとなくアーバンロートとも呼んでいる。
(アーバンとは、ホテルの名前ではありません) 朝食のワッフルを食べながら窓の外を 今頃、どっちゃり雪が降っているそうな