「〆サバを見よ!」朝起きて、テーブルの上を見ると、メモがある。
筆跡は、私のモノだ。
以前から、メモは書くようにしている。
年齢が進んでから書き始めたのではない。
昔から、気になる事をメモに残す習慣がある。
その為に、ファックスの用紙を16分割して、メモ用紙を束ねる。
洗濯バサミでチョコンと挟み、たくさん作って、
テーブルだの、パソコン置き場だの、玄関だの、
寝室のベッドのヘッドレストだの、
だのだのに置いてある。
基本的には、黒マジックで書くのだが、重要と思える内容の時は、
赤マジックで書く。
最重要の時は、それをグルグルと丸で囲む。
さらに、決定的な重要要項の時は、
紙を最も目につく位置に張り出す。
さあ、そこはどこだろう?
・テーブルの上
・トイレの目線の壁
・テレビ画面
人によって様々だろうが、私の場合は、
《玄関のドア》である。
それ以外は、「よし確認したぞ」と指さし確認するものの、
その後、時間経過があると、忘れる可能性がある。
玄関にあれば、出かける直前にメモを見つければ、
「ハタ」と気づける。
「〆サバを見よ!」って・・・・?
おおぉ~そうだった!
昨日、手に入れた50センチを超える大きなサバを塩でシメ、
その後、酢につけていたのだった。
大きなサバは、塩も酢も入りにくい。
そこで、ひと晩、酢につけていたのだ。
それをまさか忘れるとは思えないのだが、一応、
(忘れるなよ、酢から出せよ)
メモに書いておいた。
「これほどのサバのシメサバを失敗するんでないよ」、
との命令に近いメモだ。
ただし、指令されたサバは、半身である。
もう半身は、昨夜、浅い〆かたのお造りで、腹におさまった。
日本酒と共に、ゴックンいただいた。
ナッ
舌つづみまで打った。
つまり、もう半身は、やや深い〆め方で、いただく。
旨さを味わう為に、プールでいつもの50%増しで泳ごう。
ランニングも増しで走ろう。
食べられるサバ君も、まさかおのが終焉が、そのようなご丁寧な、
晩餐にして貰っているなどとは、夢にも思わないだろう。
アナタのような立派なサバ君には、
それに値する美しい晩餐をささげようと思っていますヨ――
との想いが、玄関を開けようとしている時に、
メモによって、よみがえってくるのだ!
いざ、靴を脱いで、冷蔵庫に走れ!
おまえの身体は、サバで造られたのではなかったのか!
急げ!
浅〆のサバ