《奇人たちの朗読会》 後藤ひろひと作演出 今年の2月に大阪で公演したところ、喜ばしい評価を得たので、
次は、神戸で再演が催された。
再演といえども、内容は塗り替えられている。
その土地、その街の方たちに寄り添っている。
といえば、聞こえはいいが、
この朗読会は、会場に来られた全員が、
すべてを理解できるとは限らない。
「ねぇねぇ、さっきのアレはなんだったの?」
帰り際、友人に質問をしていたりする。
友人に説明を受けて、
「へぇ~そういうことかぁ~」
やっと理解したりする。
作家の後藤ひろひとは、自分が奇人であることを忘れて、
出演者の、
楠見薫(くすみかおる)、秋本奈緒美を奇人呼ばわりし、
あろうことか、私までも奇人の仲間にしようとしている。
まあ、いいでしょう。
奇人と言われても、むくれない年付を重ねてきた我々。
パフォーマンスは、活きている。
ところで、朗読会と言うと、
「しみじみ」だの、
「おだやかな」だのの形容詞がつくものだが、
我らの朗読は、ある意味挑戦的である。
役者としての芝居の粋のすべてで全身全霊で語っている。
ゆえに、終わると、とんでもない疲れ方をする。
身体を動かしていない分、震え方が違う。
芝居というモノは、身体も頭も声もすべて使ってするのが、
当たり前で、その中のひとつだけ使うという行為は、
面白い効果を生む。
「読むだけなんだから、楽なんじゃないのぉ~」
それは、間違い。
むしろ、セリフを覚えて演じる方が楽かもしれない。
いずれにしても、この企画は面白い。
いずれどこかで、お目にかかることがあれば、さらに面白い。
既存の朗読会ではありません。