この写真は、神戸の港に係留されている《潜水艦》
こちらは、広島県の呉の港の《潜水艦》
潜水艦を見られる場所はそうそうない。
その土地で知っている人たちは知っている。
「ああ・・・せんすいかんネ」
思い出したように言葉に出すが、本来は見えない物体だ。
いや、見えてはいけないモノと言えよう。
戦争映画に頻繁に登場する、海の忍者。
世界では、原子力潜水艦が主力となっているが、
日本の港に見られるソレに、原子力は使われていない。
ゆえに、ある意味、堂々と姿を晒している。
色はにぶい黒で、光っていない。
浮上しても見つかりにくい、光を反射しにくい素材らしい。
映画のように、テカテカしていない。
ドロップ(涙)型は相変わらずで、見た目では驚くような変化はない。
それとも、見せて良いものだけ、陳列しているのだろうか?
ときおり、東京湾の航路に浮上した潜水艦が通る。
イージス艦の後ろに従っている。
ウインドサーフィンで沖を走っていると、
航跡を白く泡立て進む潜水艦が見える。
姿だけ眺めていると勇壮だが、内部には人が乗っている。
海上自衛隊の隊員が操作している。
以前より居住空間は快適になったと、風の便りに聞いたが、
いかがだろうか。
「宇宙船よりいいでしょ」
閉鎖空間という意味で、宇宙船と比べる方がいる。
「いざとなったら、ハッチを開ければ空気が吸えるのだから」と。
確かに指摘はその通りなのだが、それは平常時の話し。
潜水艦の「いざ」は平常時ではない。
すくなくとも、宇宙船は隠れていない。
堂々と、映像まで送りながら、天のかなたを飛んでいる。
似て非なる扱いを受けている海の仕事だが、
潜水艦員が平和利用で働く日は、来ないのだろうか。
東京湾を走る潜水艦