《芝桜》に続いて、《ネモフィラ》の大群落を園として拵え、大勢のひとたちを集めている。
たしかに大群落を見れば感動し、同時に大人数に驚きもする。
一昨年、北海道の離島、《利尻岳》に登山に行ったおりだ。
島に上陸するなり、
タンポポの大群落が咲いているではないか!
その美しさにアッチでキョロキョロ、ソッチでパチリ。
写真を撮りまくっていたら、街の人に、声をかけられた。
「ブタナを撮ってるの?」
ブタナ?
黄色い空中に浮かんだような花は、タンポポではなく、
ブタナと言う名前だと教えてもらった。
家々の庭や、道端や、海岸に黄色い花の群落が浮かんでいる。
特に、キャンプ場がブタナで埋め尽くされている。
テントを張ろうとすると、申し訳ないが、
ブタナを少々刈らなければならないほどだ。
テントで煮炊きをしている女性が、嬉しそうに。
「もうここは天国ですネ~」
あきれた嬉し声を発っしていた。
ブタナをむりやり私なりに漢字に変換すると、《豚菜》となる。
う~む、美しい花の名前としては、いかがだろうか?
ひょっとすると、豚が食べるほど旨い花なのかもしれない。
世の中には、「豚」を命名する植物がある。
アレルギーの原因となっている、《セイタカアワダチソウ》は、
和名が《豚草(ブタクサ)》だ。
歌に唄われる《シクラメン》も、《豚のまんじゅう》と言われる。
いずれにしても、豚が食べたがっている花の名前。
シクラメンに至っては、高校の頃、こんな友人がいた。
大好きでしょうがない女子にラブレターを書いたという。
書いたけども渡すのが死ぬほど苦しいと言う。
見せてみろと促すと、封筒から出してくれた。
「君は、シクラメンの花のようだ・・・・」
冒頭から、歯が浮くような言葉を連ねてある。
しかし、それはそれで正直でよろしい、このまま渡しなさいと勧めた。
彼は数日悶々としたあげく封をし、勇気を出して手渡した。
次に日、どうだったのかと彼に問うた。
「なんかネ・・・帰りに突き返されたんだヨ」
言うなり、泣き出した。
突き返されたというラブレターを読ませてもらった。
彼は、有名国立大学を受験しようとしていたほどで、
語学にも理科にも長けていた。
渡す前の悶々の間に、推敲に推敲を重ねたらしい。
冒頭は、こう改められていた。
「君は、豚のまんじゅうのようです・・・・・・」