この写真は、ホテルのバスルームで私がこしらえたモノ。 何だか分かるだろうか?
バスタオルがネジられてグルグルになっている。
「ああ~あれね、私もやるよ」
そう思った方は、ホテル暮らしが長いかもしれない。
早めに答えを言おう。
「からだ洗いタオルの水分を摂っている」
旅先のホテルに、洗顔をはじめ、歯磨きや、乳液など、
バスに関するグッズを持ってゆく、
その中で、いったん濡らすと、乾きにくいモノの筆頭が、
《からだ洗いタオル》
最近のモノは乾きやすい素材で出来ているが、
朝方、出かける前に使った場合は、すぐには乾かない。
そこで、冒頭のテクニックを使う。
バスタオルで体を拭いたあと、そのタオルの真ん中に、
洗いタオルを入れ、ネジってゆく。
バスタオルに水分を吸わせている。
しばらくして開け、外に干す。
そうすれば、かなり早く乾く。
急ぎでは、ドライヤーを当てれば、即乾!
ビジネス系のホテルの部屋には、洗濯物を干す場所がない。
昔の旅館などは、鴨居や欄干があったので、
エモンかけをそこに掛けた。
あるいは、旅慣れた人は長いヒモを持ってゆき、
欄干や窓枠に結んで、洗濯吊るしヒモとして使った。
しかし、今や、「そんんことはさせまじ」精神がひろがり、
ホテル内に、何かを吊るす場所も箇所もない。
無い理由は、洗濯ものを干してはいけないのである。
ホテル内にある洗濯場にある乾燥機を使ってくださいとの、
暗黙の指示がある。
照明器具の上にタオルを被せたりすると、出火するやもしれず、
窓のカーテンに濡れたモノを干すと、シミがつく。
テレビにタオルを掛けたりは漏電の可能性があるし、
ソファに使ったバスタオルを掛けるのは、
それこそ、シミを作ってしまう。
以前の空調があまりよろしくなかった時代のホテルの部屋では、
冷房も暖房も、部屋がカラカラに乾燥したものだった。
しかしながら、今の部屋は、ほどよい湿気をあたえてくれるので、
濡れた衣服が乾きにくい。
よもや、部屋洗いをして脱水機を使わずに干そうものなら、
ジメっとした下着類をカバンに仕舞わなければならない。
「ホテル内にコインランドリーありますか?」
「ないんですけど、歩いて10分の所にありますヨ」
う~む、微妙な距離だ。
ホテル内なら、洗いをやって、再び乾燥もやってと、
都合3回行けば、すむ話だが、
10分の距離では、3回行く訳にもいかず、
グルグル回っているのを待っているのも、どうかと思うし、
う~む・・・ってんで部屋洗いしてしまう。
朝方、「やっぱり乾いてない・・」
残念な吐息を漏らし、チェックアウトに向かうのだった。
なぜか、身体洗いタオルだけは、カラっと乾いているのだが―― 中を開けてみると