《
キヌガサソウと鹿島槍ヶ岳 五竜岳》
《ニッコウキスゲ》という花が高い山の上で咲き始めた。
高山植物の花は、小さいモノが多い。
殆どの花が、花弁の直径が3センチ以下だ。
その中で、異色なのが、ニッコウキスゲ。
黄色い百合と呼んでもいいような、色合いと形をしている。
それが、緑の草原の中に群落で咲いている様は壮観!
50年ほど前、谷川岳や群馬の山の上では、
何百何千という数の黄色いニッコウキスゲが風に揺れていた。
当時、カメラを持っていなかったので、目に焼き付けるしか、
脳内保存ができなかったが、いまでも、
山全体が黄色になっている光景は忘れがたい。
今現在、かなり激減している。
主な原因は、シカの害だと思える。
かれらは、ニッコウキスゲをケーキだと思っている。
パクパクパクパク、食べ続ける。
ほおって置けば、食べ尽くす。
尾瀬もニッコウキスゲの大群落地だったが、今は、
ポツリポツリとしかお目にかかれない。
シカの柵を造ってなんとか全滅を逃れている状態だ。
「自然は、ほおって置けば、それなりになるんだ」
という考えがある。
それはそれで正しいのだが、
時代は、人間の数が増えすぎて、自然の治癒力が落ちている。
人間の助けも必要ではないだろうか。
ほおって置いたら、消滅してゆく自然環境もある。
言い方を変えると、
「ほおって置き方を考えよう」となる。
・完全にほおっておくのか?
・ある程度支援して、ほおっておくのか? 絶滅危惧種 《キヌガサソウ》