イサキを食べるだろうか? イサキは今が旬である。
つまり夏。
魚とは、寒くなる冬に脂がのり、旨いとされているが、
イサキは、真夏に旨味が圧倒的に増す。
身そのものは、柔らかい魚なのだが、
刺し身にしても、煮ても、焼いても、蒸しても、
夏イサキは惚れ惚れとした味わいがある。
実は、イサキは一年中釣れる。
それも束釣りといって、たくさん釣れる。
誰でも釣れる。
釣りが難しい魚ではない。
遊漁船に乗ると、一隻に16人ほどが乗り合わせている。
そのほとんどの人が、30~50匹クーラーボックスに、
収めて帰港する。
仮に、全員が30匹だとすると、合計480匹が、
海から引きあげられた計算になる。
「え~イサキが居なくなっちゃうんじゃないの!」
心配してしまう。
ところが、そんな船がなん十隻も、毎日毎日、
海が荒れない限り出漁を続けているにも関わらず、
イサキは釣れ続く。
ある学者の意見では、イサキは、数が減ると、
個体を増やす遺伝子を持っていると言うのである。
「減れば増やす」
独特の能力を備えた魚たちと言えまいか。
おかげで、釣り師は喜び、喰い師はほほをゆるませ、
呑み師も腹をさすっている。
冒頭の写真のイサキの体長は、40センチ近くある。
堂々たる大きさで、旨みも高みに君臨している。 ワサビ醤油でもポン酢でも、カボスでも