時折、《講演会》なるものに呼んでいただける。 あるいは、自ら講演会を企画することもある。
このひと月、催している墨絵展でも講演会を開いた。
たった小一時間のお話しの時間。
私の講演会では、毎回話す内容が違う。
仮に、連日おこなった場合、来場する方は当然初めてであり、
一回しか聞かないのであるから、同じ話をしても構わないハズ。
しかし、同じ話はしないのである。
なぜか?
――私自身が飽きるから・・・
常に新鮮に話をしていたい。
自分で話している内容にびっくりしたい。
たまに同じ内容に話がおよぶことがある。
「あっ、以前、この話しを講演会でしたナ」
気づくと、どうにかして話しのゆくえを変えようとする。
ウソはつきたくないので、他の内容に変化させる。
そのセイで時に、ボロボロになることもある。
それでも、同じ話をしないように心掛けている。
数年前、毎週末、講演をしていたのだが、
小屋主さんに言われた。
「なぜ、毎回違う話しなんですか?」
「ボクが飽きるんですよ」
「飽きる?」
「というより、新鮮さがないと、それがお客様に伝わるのでネ」
「かむ」というテレビ用語がある。
話している際、喋り間違いをする行為だ。
つまり、その場その場で思いつきで話していると、
たまに「かむ」。
「かむ」のはプロとしてどうかという意見もあるが、
講演会では「かんで」もいいと思っている。
予定調和を嫌う私のズルい意見です。 サンカヨウの花(透明になりかけ)