《イチジク》 《自給自足生活》
TV東京で流されている番組だ。
この数年は、年に4回、つまり四季折々に紹介している。
私も現地を訪ね、ナレーションも担当している。
その昔は、自給自足と言えば、
「世捨て人」のイメージがあったが、
最近は、まったく、目的も暮らし方も違う。
まず、山奥の奥というケースよりも、街の近く、
あるいは村の中に住んでいる家族が多い。
それは、子供たちの通学の問題がおおきい。
《古民家》を借りて、となると、どうしても山奥の寒村が、
安くて借りやすいのだが、なんせ交通の便がよろしくない。
彼らは、あえて生活的に厳しい場所を探している訳ではない。
安くて、土地が広くて、温暖な場所を探すと、
どうしても山奥になりがちなのだが、
昨今の田舎の離村状態と、高齢化の為、
家屋が、まだまだ使える状態で、売りに、
あるいは貸しに出されている。
貸す方も、懸命に家屋を修繕してくれる家族が好きだ。
お手伝いまでしてくれたりする。
良いことに、家族が転居してから子供がどんどん増えてゆく。
番組では、一度訪ねた家族のその後を追いかけたりする。
いつのまにか、子供が増えている。
2人3人は当たり前で、母親が赤ちゃんを、
おんぶしていたりする。
訪ねると、昭和の田舎にタイムワープしたかのような、
気分を味わう。
家にテレビ冷蔵庫がなかったりする。
薪ストーブをこしらえ、さすが自給自足で、
米に始まり、ありとあらゆる野菜を育て、
味噌をつくり、醤油をつくり、調味料やジュース、梅干しも、
果物もすべて栽培している。
中には、狩猟免許も取得し、イノシシやシカなど、
いわゆるジビエを肉として取り込んでいる。
たいがいの家には、テレビが無い。
あっても見る時間がないのだから、無くて構わないという考え。
必然、当番組、《自給自足ファミリー》を見たことがない。
自分たちが出ている番組を見られない。
――のかと言えば、スタッフが贈ったビデオを、
(宅急便は届き)
パソコンで見ている。
なぜかパソコンはある。
世の中の動向は、ネットで知ろうとしている。
じゃあ、パソコンでテレビを見ればいいじゃないか、となる。
しかし、その時間がない。
生きるために、様々な働きをし、子供を育てていると、
もの凄く忙しい。
畑の野菜は待ってくれない。
醗酵する味噌や調味料も待ってくれない。
子供は、待ってから泣いてくれない。
都合の良い時に、病気になってくれない。
だからだろうか・・・
両親は皆、スレンダーな身体をしている。
ダイエットと対極の生活なので、太るヒマがない。
その上で、貿易もしている。
実は、貨幣の収入も目指している。
たくさんではなく、子供たちの教育費や、ガソリン代や、
電気代は、日本に住んでいるかぎり否応なく生じる。
その代価をどこかで稼がなくてはならない。
すべて自給したいのだが、仕方ない部分であろう。
その方法を自ら模索し、なんとかしている。
財産は、「自らの肉体」であり、「活きてゆくスベ」なのである。
オクラは、花もおいしい