マッターホルンのテッペンに、あるモノを持って行った。《たぬきうどんの写真》
以前、山カフェラジオに落語家の方がいらっしゃった。
《林家彦いち》さん
登山をする珍しい噺家だ。
その時、披露していただいた演目が、
《マッターホルンにたぬきうどんの出前》
シュールなお話しなのだが、今は亡き、
三遊亭円丈さんが作られた新作落語で、
めっぽう面白い。
それを彦いち師匠が、見事に演じている。
マッターホルンのテッペンにたぬきうどんの出前など、
出来ようはずもないのだが、
落語として聞いていると、その可笑しさに、
つい笑みを浮かべてしまう。
昨年、この噺を訊いた時は、まさか自分が登るなど、
想像もできなかったのだが、
もし登頂できたとしたら、出前風の写真を撮りたいと、
ずっと考えてきた。
ハッポースチロールに写真を貼りつけ、
風に飛ばされないように仕掛けをし、
ただでさえ、時間も、体勢も思うようにいかない環境で、
「洒落」をしてみた。
とはいえ、彦いちさんには、全く知らせていない。
これから、この写真をどうしようかと考えている次第。
彦いちさん宛てに、何も書かずに写真を送ってみようと、
考えているのだが、どこで撮ったか言わないでおこう。
どうせ、その辺の山の上で撮ったもんだと気にもしないか、
いや、ひょっとすると、あの鋭い感性で、
真相を見つけてくれるかもしれない。
頂上直下で、出前の掛け声を 「お待ちどうさま!長寿庵で~す」