この写真のマシンは、何? ヒントは、富士山の八合目の小屋の前にあったモノです。
富士山は、早朝晴れていても、午前中に雲が湧いてくる。
背が高い山独特の気象となる。
午後には、カミナリをともなった雨が降り出す。
それも、夕方にはやみ、星がちらつきだす。
これが、夏の富士山の典型的な、お天気だ。
登山者は、レインウエアを着ており、山小屋にたどり着くと、
小屋のスタッフが迎えてくれる。
すぐさま、小屋の中に入って貰いたいのだが、
全身ずぶ濡れの状態。
そこで、冒頭のマシンが活躍する。
《送風機》
かなり強力な送風機で、レインウエアに吹き付けると、
雨粒が吹き飛んで行く。
荒く吹き飛ばしたあと、玄関から中に入る。
周りからスタッフがタオルで、レインウエアを拭いてゆく。
上から下まで、きっちり拭くと、次に、登山靴を脱ぎ、
板の間にあがる。
そこには、ブルーシートが敷かれ、その上で、
レインウエアを脱ぐ。
ここまでで雨対策の終結となる。
登山者はその後、着替え所に進み、ザックの中から、
着替えを出し、真新しい乾いた服に着替える。
いっちょあがり! となる。
最近のレインウエアは、雨粒を吹き飛ばしてしまえば、
ほとんど濡れていない状態になる。
案内された部屋のハンガーなどに掛ければ、おしまい。
登山靴はひとつひとつビニール袋に入れて、
自分の寝所に持っていき、釘に吊るしておく。
ストックも同様だ。
すべてがシステム化されている。
布団を濡らさない対策とも言えよう。
ある意味ギリギリの対策だが、一応うまく機能している。
長年の知恵が生み出した結果だ。
さて、来年の富士山はどこから登りましょうかね。