《
朝焼けと山中湖》
「すみませ~ん、ビール下さい」
富士山の山小屋で声をかける人がいる。
ところが・・・
山小屋によって、酒類を置いてある所と、
無い所に分かれている。
無い理由は、酒を飲むと、《高山病》を発症しやすいから。
「私は、酒がめっぽう強いから」
は、あまりあてにならない。
ようは、「高山に強いかどうか」が、一番の問題となる。
空気の薄さは、慣れである。
山小屋のスタッフは、すでに慣れてしまっている。
だから平気で走ったりできるが、我々が富士山の山小屋で、
急な動きをしてしまうと、高山病にかかってしまいやすい。
軽い高山病なら、たいがいの方がかかっている。
頭が痛かったり、眠かったり、吐き気がしたり、
食事に興味がなくなったり・・・
高山病対策は簡単。
・酒を飲まない。
・着いてすぐに眠らない。
・深呼吸を繰り返す。
・水分を大量に摂る。
この4つを守れば、おおむね大丈夫。
山小屋に着いた時に、すでに高山病の症状が出てる時は、
スタッフに申しでるべきである。
最も良い治療法は、高度を下げること。
つまり、ひとつかふたつ下の小屋まで下がるのが賢明だ。
標高100m下がるだけで、良くなるケースが多い。
それが出来るくらいなら、悩まないという方もおられる。
しかし、それ以外の治療法は、
今の4つしかないし、発症してしまえば、
他に方法はない。
高山病を甘くみていると、死に至る場合もあるので、
要注意。
さて、来年の富士山はどうなりますやら・・・
というより、アナタは富士山に登りたいですか?
生涯に一度は、富士山にという気持ちは良く分かる。
しかし、富士山ほどキツイ山はない。
初心者が登る山ではないような気がする。
「知らぬが仏」
この言葉どおりの事が、富士山でおきている。
富士山のキツさを知らないのを良いことに、
訳が分からない内に登ってしまったのだ。
とはいえ、登れたから良かったものの、
たいがいの方は高山病に苦しむ。
なんせ、一挙に3000mを越えるなど、
山登りを常日ごろやっている我々でさえ、高山病になりやすい。
八合目の小屋は、3200mにもなる。
日本で二番目に高い山は、北岳(3193m)なので、
そこより高いのだ!
スイスのマッターホルンの前哨小屋、ヘルンリ小屋が、
3200mの標高。
そこで、酒を飲んでいる人は、ほとんどいなかった。
もう一回、言おう。
「知らぬが仏」 ただし、富士山は美しく おおきい