モンベルに行くと、私の本が並べられて売られている。 ありがたいことに、表紙を露わに置いて貰っている。
《山は登ってみなけりゃ分からない》 敬文舎
《山は泊まってみなけりゃ分からない》 敬文舎
《野筆を片手に》 モンベル出版
《野筆》は、墨絵なので、白黒の世界である。
大阪での舞台でも、白黒絵を舞台上で描いた。
おまけに、52年前に描いた、お寺の猫の墨絵は、
現在、モンベル製のティシャツとなって売られている。
5年前までは、まさか絵を描くようになるとは、
考えてもみなかった。
人間、自分が思いもしなかった事を、し始める動物だ。
たとえば、アナタが今はまっている事柄は、
5年前、10年前に思い浮かべられただろうか?
最近始めた趣味を、20年前に想像できただろうか?
そう考えると、こう思うことがある。
「自分をあまり信用しない方がいい」
ところが学校の先生は、かならずこう言う。
「自分を信じなさい」
それは、そうでも言わなければ、
子供は間違いを起こすからだ。
先生の意見は正しい。
子供の時代は、自分を信じなければならない。
何を信じて良いのかが定かでない間は、
自分を信じましょう。
そうやって、やがておおきくなる。
しかしながら、ヒトは、自分が思ってもみなかった方向に、
進もうとするチカラがある。
なぜ、ソレを始めたのか、うまく説明できないのに、
ソレにはまっている自分がいる。
まるでソレの申し子のような気分になっているのに、
ソレなんか、まったく興味がなかったハズなのに、
ソレに没頭している。
こう考えてみると、大人になると、
やはり自分を信用しない方が、
面白い方向に進めるのである。
信用する、とは自分の性格なりを確定させすぎる働きだ。
「私ってサ、こういう人だから・・・」
決めつけてしまうやり方かもしれない。
信用しない、とは、
「私は、何をし始めるか分からない」である。
(犯罪は、これに含まれない)
つまり、私の書いた本。
「○○してみなければ分からない」シリーズ
(強引に)略して、《みなわかシリーズ》
を読めば、そのバカバカしさに呆れて、
何かにチャレンジしたくなるのであります、ハイ! 富士の宝永山頂上