花というものは、多年草と一年草があると聞き知っていた。 特に、野の地面から咲く花は、一年草が多いと思っていた。
さらに特に、売っている花は、一年草だと思い込んでいた。
冒頭写真の花は、いまから2年8カ月前に、
ホームセンターの店頭に置いてある花々の中から、
2つほど、見た目で選んで、買ったものである。
我が家の猫のヒタイほどの庭の「生え際」の辺りに、
穴をあけて放り込み、水をやりそのまま放っておいた。
あのような売り方をしている花とは、その季節だけ花を咲かせ、
その後、しぼんでしまい、次々に植え替えるものだと、
思っていた。
ところが、夏が来ても花は新たな蕾をつけ、咲く。
やがて秋が過ぎようとしても、変わらず咲き続ける。
驚いたのは、正月にも咲き、いやいや一年後にも、
おなじ花を咲かせているではないか!
「ないか」と驚きの声をあげた更に一年後、
ずっと咲き続けたのである。
都合2年と8カ月、大きさも数も劣ることなく、
紅色の花が、昨日今日植えたかのような色合いを見せる。
これは、当たり前のことなのだろうか?
「ええ、あの花は、そういう花ですよ」
と誰かが教えてくれれば、納得するが、
私に近しい人は、花に造詣が深くないのか、
それとも、関心がないのか、
「はぇ~あっそ」で終いである。
じつは今年の春には、同じような花を買い足し植えてみた。
しかし、そのすべてが、ひと月ほどで枯れてしまった。
理由は分からない。
私の関心は、この状態がいつまで続くかである。
この先、何年も、咲き続けるのか?
10年や20年咲き続けてくれるのか?
もし枯れてしまったとしたら、次に何を植えればよいのか?
というより、こんなに逞しく育ち続けている花には、
愛情が湧いてくる。
となれば、名前が必要だろう。
さっき猫の額と表現したのを借りて、こう呼びたい。
《はえぎわ》君たち。