関サバ刺身
夕食に、干物を食べることがない。
むしろ避けている。
なぜか?
っと、その前に、納豆を夜食べる習慣もない。
納豆は、朝食べると決めているからだ。
この習慣が、今の「なぜか」の答えとなる。
私の朝ごはんは、納豆と干物がメインとなる。
これに味噌汁やサラダなどが付随してくる。
その主食である干物を、夕食に食べようとすると、
かなりの違和感がわいてくる。
朝食とは、これから始まる《激しい動き》への備えである。
夕食とは、終わったあとの《弛緩》の時間である。
動きに対して、弛緩。
激しさとゆるみ。
まったく正反対の、それらの食べものは、
その時間帯に特化しなければならない。
つまり、もし干物を夕食に食べると、
習慣として朝、食べているセイで、
攻撃的な興奮がわきあがるかもしれない。
もし納豆を夜食べたら、同じような意味で、
パジャマを脱ぎ捨てたくなるかもしれない。
では、逆の場合を考えてみよう。
朝ごはんに、刺身が出てきたらどうだろう?
見た目と舌の感覚は、酒をのぞんでいる。
(今日は、よく働いたナ)
気持ちがゆるんでくる。
もはや出かける気持ちが薄れてくる。
刺し身ほどでなくとも、仮に、コレが出てきたらどうだろうか?
冷ややっこ
オカカをかけて、醤油をたらすと、
もう立ち上がりたくなくなる。
冷ややっことは、それくらいの緩ませるチカラがある。
ホテルや旅館の朝食に、
この冷ややっこが出されるシーンに出くわす。
そういう時は、自分をなだめながら、さっと、
現物を胃袋の中に消してしまう。
「なにもなかったケンねぇ~」
ところが、たまに、朝からチャッカマンで火をつけ、
湯豆腐として食べてもらおうという、
イベント的な仕掛けもある。
湯豆腐=熱燗の連想から抜け出せない。
こうなると、出立用に着込んだ服を、
ふたたび浴衣に着替えたくなる。
・朝食を連想させる食べ物
・夕食を連想させる食べ物
この二つを分けていなければ、一日のターンテーブルが狂う。
海外旅行の飛行便で、朝だか夜だか、
どちらか分からない食事に出会う時がある。
(何を飲めばいいのだろう)
ビールやワインを頼んで、割とすぐに到着したらどうする?
お茶を頼んで、コッテリ夕食系が出てきたらどうする?
食べ物は、わが肉体に直接なにかを起こしたがる。 《
ソウダガツオ》
生は夜ヨ 干せば朝ヨ