《カラスウリ》の季節である。 ウリと名前が付けられているが、食べられない。
試したことすらない。
黄色から赤に色づくのだが、まず最初は、緑色をしている。
サルナシの実の色合いに似て、
縦にスイカのような縞模様がある。
この状態の時には、ひょっとして食えるのかと、
噛りついてみたくなる。
そういえば秋に、我が家でも、
カラスと名の付く草が葉を伸ばす。
《カラスザンショウ》
葉っぱが山椒の匂いをしている。
茎にトゲがあるので、鳥たちは寄って来ない。
そのセイなのか、蛾が卵を産み、幼虫が大きくなる。
いわゆる、アオムシである。
気味悪いのだが、このアオムシだけが、
カラスザンショウに棲みつき、
葉っぱをすべて食べてしまう。
丸裸にしたあと、近くの樹や電柱に登りサナギとなる。
やがて、孵化して空に飛んでゆく。
カラスと付く海の魚も知っている。
沖縄の海には、小さな銀色の魚がいる。
《スクガラス》
体長2センチに満たない小さな魚で、
アイゴの稚魚の名前がスク。
それの塩漬けを豆腐の上に乗せて食べるメニューを、
《スクガラス》と呼ぶ。
柔らかな豆腐と、歯にコツコツと当たる、
合わせ技の食感が、妙にここちよく、酒がすすむ。
カラスと言うより、ガラスなのだろうが、
あまりカラスを悪者にしたくないので、
仲間に入れてみた。
「アホ~~~」