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ギンナン拾い
ギンナン拾い_e0077899_14464229.jpg
 銀杏の実が落ちる季節となった。
神社や寺に行くと、境内にイチョウの樹が、
2本植えられている。
基本的にオスとメスが一対となっている。
こうすれば、秋に銀杏の実を収穫できる。
実が臭いので欲しくないという街中の街路樹の場合、
オスのイチョウばかりが植えられる。

《銀杏》と書いて、
「ぎんなん」と「いちょう」の二通りの読み方となる。
ややこしいので、「イチョウ」は樹、「銀杏」は実とします。

昔々の田舎では、銀杏の実は、争奪戦の様相があった。
早い者勝ち的な、「銀杏拾い」である。
手袋をはめ、カゴを抱えた近所の人たちが、
こぞって集まり、黄色い実を拾ってゆく。
何百、いや千の単位は落ちているであろう銀杏。
争奪戦と言ったが、あまりの多さに、
皆が満足するだけ拾えたものだ。

現代では、争奪戦があまりない。
銀杏拾いをしてまで食べようという人が少ない。
拾っても、どうやって食べるのか分からない。
分からないのに、無理やり拾った場合、
その臭さに、家に持って帰るや、家族に叱られる。
一軒家であれば、外の水道で洗ったりできるが、
マンションなどでは、ベランダに置いていても、
強烈な匂いが近所迷惑になる。

銀杏は、拾ったモノをバケツなどに入れ、
水をヒタヒタにして一日おいておく。
それをビニール手袋をした手で揉みながら、
皮をはがす。
つまり、種だけにしてしまう。
あとは、乾かせば、出来上がり。
食べる時は、ペンチでパキッと割ってから、
そのままフライパンで煎る。
中火でフライパンを動かしながら煎る。

あるいは、封筒などの紙袋に入れて、電子レンジで、
30秒ほど、チンをする。
こっちのやり方のほうが簡単だが、チンの時間が難しい。
時間が長いと、銀杏が爆発してしまう。
塩梅は、自分で見つけるしかない。

ということで、伝統的な《煎る》のが面白い。
煎る場合は、ペンチで割りを入れずに煎る方法もある。
しかい、コチラも、爆発の可能性があり、難しい。
だからだろうか、昔の《煎り機》には、
金網のフタが付いていた。
あの煎り機を見なくなって久しい。

「銀杏は食べ過ぎると毒だヨ」
大人のヒトが必ず言っていたものだ。
では、いくつまでなら良いのかとは教えてくれない。
大人になってからは、おそらく一度に、
10粒ほどは食べている。
もしかしたら、20粒食べているかもしれない。
毒となった記憶はない。
大人は、自分たちが沢山食べたいから、
そう言っていただけかもしれないと、
口をモグモグさせながら、いまは、考えている。
ギンナン拾い_e0077899_14463600.jpg
     さ、食べよ

by ishimaru_ken | 2024-10-19 05:45 | その他
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