《菊芋》 きくいも 道の駅などで売られていたりする。
一度も食べたことがない方は、
手に取ってみたりしないイモであろう。
見た目は、ショウガに似ている。
そこから地表に生えている茎なども、
ショウガに似た生え方をしている。
ただし、味わいが全く違う。
「生で食べたらどんな味だろう?」
生えているモノや、成っている実をその場で食べるクセがある。
テレビ東京の番組、《自給自足ファミリー》で、
全国のアチコチのおうちにお邪魔する。
そこでは、畑を必ず耕している。
「これ、なんですか?」
「きくいもです」
ご主人が、根こそぎ掘り返して抜いてくれる。
「このまま食べられますかネ?」
火を通さなくてもいいのかとの問いだ。
「さあ、どうですかネ」
と応えるという事は、生でもいけると判断する。
付いている土を軍手でぬぐい取る。
はじっこのカタマリをガブリッ
ふ~~む、シャキシャキ
なんとも言えぬ噛みごこち・・・
おそらくシャキシャキ感のある食べ物の中でも、
イチ、ニを争うような歯切れの良い食感!
「味というより、食感がたまりませんネ」
「土も食べちゃいましたネ」
番組スタッフが気にかけてくれる。
しかし、子供の頃からの習慣で、土だのは、
食べ物と一緒に仲良く胃袋に少量入ってくる。
いちおう、これで腹を下したことはない。
(マネはしないでください)
最近は、農薬問題があるので、野菜などは、
洗うようにしているが、大概のモノは、そのまま食べたい。
特に、自給自足のような無農薬の野菜や果物は、
そのままかぶりつく。
自分が、猿かニワトリになった気分となる。
秋だと、柿は皮ごと、栗も、一個くらいなら生で――
もちろん火を通した方が旨いのだろうが、
動物の気分を味わうには、生で――
昨年、キノコ採りの名人と山にはいり、キノコを見つけた時、
毒キノコではないと、教えてもらったので、
そのまま口にいれた。
横で、名人が恐ろし気に見ていた顔つきが面白かった。
(さすがに名人のおいらでも・・・)
「絶対に食べちゃダメですよ」
母親がダメを押していたのは、《青梅》である。
小学生の頃、庭に成る梅の実を、青いうちに、
ちょっぴり齧ってみた。
酸味がキツイ。
しかし、旨かったので、毎日、ちょっぴりだけ齧る。
そうして、春を終えていた。中学に入るころには、
毎日、一個食べるようになっていた。
腹は下さなかった。
耐性が生まれたのだろうか?
(絶対にマネしないでください、大変危険です)
このセイなのか、おかげなのか、
なんでも採って食べる習慣がついたらしい。
毒をもって毒を制す――
(マネをすると、あたります)
私は、たまたまラッキーなだけのようです。 菊芋の生スライスとムカゴ