《ゴルナート鉄道》
脱臼を、私もしたことがある。 このコーナーを立ち上げた頃だった。
映画《アストロ球団》の撮影中だった。
この映画には、超人が大勢登場する。
CGも使い、野球シーンを野球グランドで撮影していた。
私の役は、アストロ球団の監督だ。
出番を待つ間、外野を走っていた。
当時、テレビ番組の《サスケ》や《スポーツマンNO1》 に、
出場していた私。
いっときも、ジッとしていない。
常に走ったり、跳んだり、登ったりしている。
そんな時に、超人たちは、数メートルも跳びあがったりする、
(CGなのだが)
いつのまにか、私もそんな気になりかけていた。
外野の芝生の上で、走りながら、前方に飛んだのである。
《とびこみ前転》
思いっきり前に飛び、右手をついてから、一回転するのである。
のであるハズだった・・・
落ちたのは、右手の《肩》からだった。
ドンっ と同時に、ゴキッ が聞こえた。
右肩にあきらかに、異変が起きた。
人間、たとえ骨が折れても、数分間アドレナリンが出て、
動き回れると、知識として知っていた。
とっさに私は、右手を押さえながら撮影隊の方に、かけよった。
「肩が折れたようです。すぐに病院に行きます、さよなら」
実は、スタッフの数人が、私の動向を見ていたらしく、
機敏に、反応してくれた。
スタッフの車で、救急病院に向かった。
診断は、《右肩脱臼》。
その後、私の主治医の病院に搬送され、
手術とあいなった。
私を運んでくれたスタッフは、帰りの車内で話していたそうである。
「あのひと、CGなしで飛べると思ったらしいネ」