《蒸気でアイマスク》「眠る前にコレを使ってみて」
友人から、《蒸気アイマスク》をいただいた。
眠る前に20分ほど顔面に付けているだけでいいと言う。
そのまま付けたまま眠ってしまっても良いと言う。
トリセツを見てみると、
「気分とろーり夢心地」などと書いてある。
よし、今夜は、これで決まりだ!
就寝前、その中の一枚のパックを持って寝室に向かう。
布団にもぐりこんだ。
ふぉあ~暖かい。
しばし まどろむ
さあ、蒸気アイマスクを袋から取り出して・・・つけよう・・・
――目が覚めた。
朝だった。
むくりと起き上がると枕の横に、アイマスクのパック袋が、
そのまま置かれてある。
ありゃ?昨夜、布団に入った途端、コトンと落ちたらしい。
アイマスクをつける前に、夢の世界に入ったらしい。
そんなに簡単に早く眠れるものだろうか?
落ちているアイマスクの袋をよくよく見ると、
「切り口」という箇所が千切られそうになっている。
という事は、「千切ろうとしている動きの中で、
コトンとなったのでしょう」、と刑事なら指摘するだろう。
これでいいのだろうか?
今夜、もう一度試してみたいが、またコトンとなったら、
どうしよう?
いただいた友人に、なんと言えばいいのだろうか。
「どうでした?」と聞かれて、
付ける直前にコトンと落ちたなどと、言えるだろうか?
人間としての生き方を否定されないだろうか?
眠る直前とは――
「生きている余韻を楽しむ時間」ではないのか。