ジャイブ(高速での方向転換)
アウトドアスポーツは、全身運動である。
ただ筋肉を動かすのではなく、アリとあらゆる変化に対応する。
フィールドスポーツと違って、平らな場所はない。
常に、デコボコの地面に足をつけている。
地面と言ったが、水の上は、さらなるデコボコとなる。
しかも、動くデコボコなので始末が悪い。
ウインドサーフィンとは、風で遊ぶ快感スポーツである。
風が吹けば海面は荒れる。
洗濯板にデタラメにコブを作ったような波がたつ。
《洗濯板》を例えに登場させたが、現代では、
その形状を知らない世代だらけ。
洗濯板の波の中を、かなりのスピード――
たとえば、時速50キロほどで走ると、
(秒速にすると、14mほど)
分かりやすく言うと、1秒間に14m移動する。
ウサインボルトの100mの通過時と、ほぼ同じスピードだ。
その14mの中に、3つほどの波のピークが動きながら近づいている。
波の高さも、出鱈目に変わる。
それを全身の動きで越えていかねばならない。
頭で考えている時間はない。
下半身が、かってに動いている。
《感覚》の世界となる。
「い~~ち」と数える間に、3回ヒザが曲がったり伸びたりする。
もちろん、「い~~ち」で終わるわけはない。
そのまま何分も走り続ける。
ところが、微風となれば、話は変わる。
洗濯板が、滑らかになり、膝の上下も少なくなる。
非常に緩やかな全体の動きの中で、
時速40キロほどで走り続ける。
こうなると、周りの景色もゆるやかに見えるようになり、
おだやかな気持ちで、海の上を走っている。
長い距離を片道10分も走っていると、眠くなる。
することが減るので、アクビがでそうになる。
お日様の光をあびて気持ち良さに、うたたねを始めたくなる。
ほんとに眠ってしまうことはないが、忘我の状態となる。
周りに人があまりいなく、海面にも邪魔なモノがない場合、
しばらくどこかの世界にとんで行ってしまう。
時速40キロをこえて、ボ~としている。
時折、目を覚まさせるのは、
目の前でバシャッと飛び立つトビウオだったりする。
キチキチキチキチ
トビウオは、銀色の羽を、はためかせながら、
こちらをしのぐ速さで遠くまでとんで行くのだった。
与論島の百合が浜は冬でも半そで