洞窟探検家の吉田勝次 よしだかつじ (58)さんが、植村直己冒険賞をもらう栄誉に輝いた。
とっくに貰っても良かった人物である。
洞窟にもぐる・・・というと、「かなりきわどいヒト」
というイメージがある。
「ネクラ人間」と呼ばれることすらある。
しかし、吉田氏の性格は、真反対で、むしろ、
あっけらかんとしている。
究極の場面で「慎重」であることは当然なのだが、
彼の冒険心は、「挑み」に積極的でない現代において、
秀でている。
もちろん、「死」とスレスレの生き方には違いないのだが、
人が、「行くか、戻るか」の決断の課題に、
もっとも正解を導き出している人間のひとりなのだと、信じる。
将棋には、詰将棋というクイズ的なモノがある。
必ず、王様を「詰ます」ことができる、と分かっているクイズだ。
正解が必ずあるという時には、
ヒトの脳みそは能動的に動く。
とんでもないパフォーマンスを引き出せる。
ところが、「摘むか摘まないか」分かっていないクイズに
関しては、ヒトは、まずやる気が出ない。
とりあえず取り組んでも、あまりにも困難な課題だと、
投げ出してしまう。
「無駄なんじゃないのか?」という疑いが湧くからだ。
吉田勝次さんは、そんな課題に挑んでいる。
まったく未知の地球の内部。
どこまで続いているのか分からない洞窟。
このまま進むと、戻れない可能性がある穴。
次第に狭くなる穴に、頭を下にして降りてゆくと、
ひょっとしたら、戻れなくなるかもしれない。
実際に、そんな状況に何度も陥っている。
それでも帰還し続けている。
野球ならば、生涯3割打てば名球会入りの大打者だが、
洞窟の世界では、10割打者にならなければ――
おめでとうございます
人類の一歩をひろげる氏に・・・尊敬の拍手を
イシマルの足が
どんどん奥へ
いいのか
左 吉田勝次 右 イシマル