カレーやシチューはよくつくる。中に入れる具が殆ど同じなので、途中までつくって、
ルーを入れる段階で、方向性が決まる。
シチューに関しては、ルーの色が、白なのか黒なのか、
そこで、全く違うものになる。
これはいい加減な造りの場合である。
こだわる時には、肉が主人公になる。
牛のスネ肉のカタマリを買ってきた場合は、
たいがい、《スネシチュー》に心が動く。
スネ肉は、煮ても柔らかく食べられるので、都合がよい。
ひと口大に切りそろえれば、出来上がりが楽しみとなる。
そして、それさえ造っておけば、パスタのルーにも使える。
あるいは、ご飯を炒めて、それにかけると、
《ナントカライス》となる。
ラーメンの麺を茹でて、シチューをかけてみたが、
かなりのレベルのご馳走になった。
あるいは、途中まで同じ食材で拵えたモノを、
二つに分けて、片方はホワイト、片方はブラックと、
二種類のシチューにしてしまい、
違う味を楽しむと、交互の旨さを堪能できた。
その度に、白ワインと赤ワインを交互飲みしたのだった。
さらにもう少し工夫して、ホワイトの方は、肉でなく、
サーモンに換えると当然白ワインに合う。
用は、玉ねぎとニンジン、キノコにピーマンたちが、
よってたかって切られまくるのである。
炒めまくられるのである。
「イシマルさん、白と黒はいかがなものですか?」
白は構わないが、黒はおかしいと指摘された。
「赤でしょ」
白と赤だと主張するのである。
まてよ・・・
白が《ホワイトシチュー》であろうが、では、ビーフシチューは?
色で言うと、「濃いブラウン」か「ほとんど黒」に近い色となる。
色では、表現しにくいので、慣例にしたがい、こう言いましょう。
《ホワイトシチュー》と《ビーフシチュー》
「・・・イシマルさ~ん、これに入っているの、豚コマですよネ」
「・・・・・・」
「あれっ、これはボンジリ?ビーフって、鶏じゃないですか!」
「・・・・・・」
「えっ、コレは骨付き・・・・・・ラム?」
ホバリング