~~~昨日のつづき~~~ 50年前、渋谷のゲームセンターにアルバイトで務めだした私。
店長に、ルーレットのディーラーをやらないかと勧められた。
ルーレットとは、
1~36の数字と0と00の数字の38か所のポケットに、
直径2センチ弱のプラスチックのボールが入るだけの
ゲームである。
その数字を当てるゲーム。
ただし、賭け方は多岐にわたる。
2倍、4倍、6倍、8倍、9倍18倍、36倍
自分のチップを賭ける為に置く場所によって、倍率が変わる。
例えば、1にチップを置いて、1に球が入れば、36倍の配当。
1と2の間のライン上に、チップを置けば、
1か2のどちらかに球が入れば、18倍の配当がもらえる。
という具合に、自由に倍率を考えられる。
1~36の数字は交互に、赤と黒に色を付けられている
つまり赤か黒かを選んで当たれば、2倍の配当を受けられる。
ディーラーの「プレイス ユアベット」の声と共に賭け始め、
「ノーモア ベット」でチップを置くのをやめる。
その後、当たった客への配当を配るのだが、
このやり方が、ラスベガスとは大違いだった。
アメリカなどでは、映画で観られるように、
野球場の地面を整地するトンボのようなもので、
チップをガラガラと集めるが、
渋谷の店では、もっと機微に満ちていた。
当たっていないチップを指先でハイスピードで集めながら、
配当計算をするのである。
たとえば、8に球が入ったとする。
そこに置かれた同色の数枚チップの置き方で、
こんな計算をしたりする。
36+(3×9)+(2×18)=
いま暗算を試みても、数秒かかってしまう。
しかしながら、計算を頭でするというよりも、
指でするのである。
集めたチップを20枚をひとくくりとして、
計算をする方法。
指が覚えているという言い方が正しい。
すべてのチップを集めながら、数人のお客に支払いチップを
届けるまでに要する時間は、20秒以内。
客からすれば、あっという間である。
しかもバラバラに散らかっているハズのチップは、
ほとんど片付けられている。
ある意味魔法のような計算方法。
中には、差し出されたチップを見て、本当に正しいのかと、
疑う方もおられる。
紙とペンを渡し、計算してもらうと、はたしてピッタリ!
「アンタ、そろばん得意なんじゃろ」
きいてくる客もいる。
「いえ、そろばんはできません」
「ほんじゃ、どうやってんの?」
「それは企業秘密です・・・けどお客様にだけこっそり」
「ん・・?」
「実は、頭の中に電卓があるんです・・・ココに」
と当時ふさふさしていた頭部を指さす。
他の客までもが、目をまん丸くしている間に、
「プレイス ユアベット」