包丁を研いでますか?包丁研ぎ器は何を使ってますか?
砥石はありますか?
いきなり質問を浴びせた。
ドキリとした方は、ほとんど包丁を研がない方だと察せられる。
包丁はおおきく分けると、和包丁と洋包丁に分けられる。
和包丁は、頻繁に研がねば、切れ味が落ちる。
その代わり、研げば研いだだけ、切れ味が良くなる。
対して、洋包丁は、あまり研がなくても、さほど切れ味は変わらない。
その代わり、懸命に研いでも、なかなか切れ味が良くならない。
メリットデメリット長短ある。
両方使っている私としては、和包丁は、使う前後に毎回研ぎ、
洋の方は、時折、懸命に研ぐ。
研ぐのは、砥石で。
以前静岡県の焼津の包丁屋さんで買ったモノで、
荒砥ぎと、仕上げ研ぎの中間くらいの砥石。
これを、斜めに研げるように、土台を作った。
流しの中に、きっちりはまり込むように、何度も作り直した。
研いでいる最中に揺れたり動いたりしない為だ。
材料は木なのだが、前後に、発泡スチロールと柔らかいモノで、
囲った。
こうすることで、ステンレスの流しにギュっと、
押し込むことができる。
シュッと研いでいる最中に、まったく砥石が動かない。
こすった分こすれる。
研いだ分、研げる。
水を流してかけながら研いでいる人がいるが、
その方法では、研げない。
水を少しだけかけて研いでいくと、やがて研げカスが鼠色となって、
砥石の上に溜まって来る。
コレがネチョネチョになる状態が、いい。
カスが包丁の研ぎを手伝ってくれる。
ネチョネチョが激しくなったら、チョロリとだけ水
をかけ、ふたたび研ぎ出す。
研げたかどうかは、歯の先端を指3本で軽く触って調べる。
その時決して、歯の上を滑らせないように。
それだと指が切れてしまう。
皮膚の毛ぞりをするときのような方向に動かす。
バリというものが包丁の片側に出来る。
片側だけ研いでいると、バリが生まれる。
雪山で言うところの、《雪庇》せっぴである。
このバリを、反対側を研ぐ時に、とってゆく。
目では見えないミクロの世界なのだが、
指で触ってみると、バリが分かる。
人間の触感が優れているのが実感できる瞬間だ。
包丁が切れるようになると、やはり指を切りやすくなる。
「切れない包丁の方が指を切る」
昔から言われる格言に近いものだが、
そうはいっても、切れる包丁は怖い。
雑に玉ねぎを切ると、ザックリいきやすい。
特に玉ねぎに茶色い皮が付いている奴はあぶない。
1枚だけ茶色の皮があればよいが、
2~3枚重なっている場合、上の皮の上から包丁で切ろうとすると、
皮と皮がズレて、包丁が指に向かって牙をむく。
結果、ザックリとなる。
玉ねぎに切れ目を入れる時は、ものすごく慎重にいたしましょう。
この研ぎ方は、50年ほど前の銀座の高級和料理屋で覚えた。
教えて貰ったのではなく、当時非常に厳しい板長さんが、
「一回しか言わんぞ」
弟子に教えていたのを、耳をダンボにして盗んだのだった。
あの口癖、「一回しか言わんぞ」は、ドラマなどで頻繁に使われるが、
年に何度も同じ言葉を聞くから、ほほえましい。