《バカの高あがり》昔から言われる格言である。
高あがりは悪いと言われている。
なんでもかんでも高い所にあがりたくなる人を牽制している。
なんでもかんでも、とは、グルリ見回して、
少しでも他より高い場所に行こうとする行為。
屋根の上にあがり、火の見やぐらによじ登り、丘の上に登り、
遠くに見える山に登り・・・
っと、自分が登っている内は良かったが、
やがて、背の高い家を建て、丘の上に建て、
それでも我慢できずに、航空機で空を飛んだりする。
これは、本能だろうか?
「いや、本能じゃないよ」
と、苦言を呈する方は、高所恐怖症だったりする。
高所恐怖症にも程度の差があり、
なかには、歩道橋すら渡れない人もいる。
渡れないならまだしも、
渡っているヒトを見ることができない人すらいる。
友人に、過度に高所に敏感な人物がいる。
彼は、歩道橋のない世界を欲しがっているのだが、
なぜだろうか・・・映画《フォール》を観たりしている。
それは、高い高い塔の上に取り残されたクライマーの話だ。
「状況パニック映画」とでも言うのだろうか。
実際こんなことが起きたら、アナタはどうしますか?
問われている。
この友人は、以前、映画《フローズン》も観ている。
これは、スキー場のリフトの上に止まったまま取り残された話。
春の訪れと同時に止められたリフトに、取り残される若者。
飛び降りるにも高すぎるし、下にはオオカミがよだれを流している。
この映画を、高所恐怖症の友人が目を輝かせて観ている。
不思議な人だ。
その彼の前で、壁によじ登ったり、天井にぶら下がったりすると、
ブルブル震えながら、そっぽを向いている。
けっして心配などしていない。
むしろ、そんな馬鹿なことをする奴は、落ちればいいとでも、
思っているフシがある。
その証拠に、本当に落ちて、松葉づえをついていたら、
ニヤニヤとほほを膨らませていたではないか。
《高あがり》をバカだと、指さしたい人である。