
《
ゆから》
幌尻岳麓の温泉宿
キャンプ場の近くには、温泉が付随しているケースが多い。
「多い」、のではなく、そもそも温泉があったから、
キャンプ場を始めたケースもあるだろう。
汗みどろになって山から降りてくると、そのまま、
温泉=キャンプ場のヒトとなる・
温泉の熱い湯には浸かるのだが、それだけでは、出たあと、
再び、その熱で汗みどろになってしまう。
私の場合は、常に冷たい《冷泉》に浸かる。
浸かるというより、《浸ける》 と言った方がニュアンスが近い。
かなりずっと浸けている。
足の指先がジンジンしてきた頃、いったん水を出て、
隣の熱々湯船にズブリ。
ここで気を付けねばならないのは、ついつい湯に浸かり過ぎない事。
芯まで温まってしまうと、せっかく冷やしたのが意味がなくなる。
世の温泉の宣伝文句にコレがある。
《芯まであったまります》
《ずっとホカホカ》
私にとっては、この表現は悩ましい。
理想をいえば、すぐ冷める温泉が好ましい。
表面だけ温っためてくれれば充分。
一応、使い過ぎた身体を癒す効果も求めるので、
治療だけしてもらえば結構。
随分わがままな温泉好きである。
熱々湯船に30秒も入ると、すぐに飛び出して、
冷泉に向かって、ちゃぷり。
肩まで漬けながら、ひたすら冷やす。
なんせ夏山を何時間もウンセウンセと歩いてきたのだから、
生半可なホテリではない。
キンキンに冷やさねばならない。
以前、ある冷たいのが自慢の冷泉では、思い切って、
頭まで漬けてみた。
これは凄まじい効果があった。
やはり、人間の発熱場所の筆頭が《頭》であると知った。
(注;共同浴場の水風呂は、
頭を浸けないようにと書いてあります)
熱い冷たいを何度も繰り返し、本日の身体冷やしが終了。
次は脱衣場で、扇風機のアタリビトとなる。
基本的に大型の扇風機は、だいだい色の羽首を、
左右120度振っている。
みんなに当てる為だ。
だから、みんなが居ない頃をみはらかって、
脱衣場に向かう。
ブ~~~ン
左右に回る首の動きにあわせて散歩する。
温泉後のゆっくり散歩。
冷やしのリンスと呼んでいる。
これをやっておかないと、やはり温泉効果で、
ポカポカが始まってしまう。
そして、最終仕上げは、休憩所で冷房にあたる。
畳の部屋で、板の間があれば、そこに横たわり、
板の冷たさを伝授してもらう。
キンキンに冷えた身体を、ギンギンまで低くめねばならない。
ここまで完全に冷やせば、夜、火照らずに眠れるのである。
これらを怠った日には、大汗をかいて眠れぬ夜を、
過ごさねばならない。
困ったからだを作ってしまったものだ。