関東を離れ、旅先の飲み屋に入る。ぶらりと、とび込みで入る。
店選びは、長年のとび込みで、カンに頼っている。
その日は、高知県の高知市。
カツオの水揚げでも有名で、この地へ行くと、
カツオを食べたくなる。
べつにこの地に行かなくとも、カツオを常食しているクセに、
この地はおもむくと特別感が湧き上がり、
カツオどうしても食べたいヒト となる。
壁紙を見ると、
《勝男パワー 700円》とある。
カツオの刺身をニンニクで食べようという触れ込みだ。
飲み屋の壁のお品書きは楽しい。
ふと横に書いてあるモノに目が行く。
《鉄分28号 450円》
往年の漫画《鉄人28号》に寄せた命名だろうが、
恐らく、何かの心臓だろうと察せられる。
鶏か、マグロか、それともカツオだろうか?
値段から推測すると、ニワトリであろう。
あるいは、やはり土佐だけに、カツオの心臓?
注文してみた。
はたして出てきたのは、ブリブリとしたカツオの心臓。
カツオを捌く時に、内臓の中に心臓がまぎれている。
心臓は赤黒く、ひと目で分る。
思いのほか魚体の割には、大きい。
噛み応えは、弾力のある筋肉と言えよう。
新鮮なうちに、甘辛く味付けして煮てある。
もうひとつ見つけたのは、下の段に赤枠でかこってある。
《牛スジ煮込み》
牛のスジ系を刻んで、甘辛く煮込んだ物だ。
最近、私も自宅で盛んに造る。
業務用スーパーで買い求め、大量につくり置く。
お客が我が家にやって来ると、
目の前で鍋にかけ、弱火でグツグツと煮続ける。
客は、たまらずに手を出そうとする。
「まてまて・・・ワシが器にそそいでやるきにヨ」
インチキ土佐弁で応対するおバカな主人でありました。
我が家の 牛スジ煮込み