《冬季単独無寄港無補給》南の島での自転車チャレンジに名付けたわざとらしい表現。
昔から、外洋だの山岳のチャレンジで、
長い名前が冠される。
ある意味、長ければ長いほど困難極まりないモノになる。
あえて説明してみよう。
《冬季》
これは分かりやすい。
山では、夏より冬の方が格段に難しさがあがる。
なんたって、遭難した時の《救助》が極めて難しくなる。
その上、気温が格段に違い、遭難 即 死亡となりかねない。
《単独》
いまは亡き山岳家の長谷川恒夫氏は、
様々な岸壁を単独で登っていた。
通常は、二人以上で登るべき岸壁を、ひとりで登るとどうなる。
《ふたり》の場合、尺取虫の要領で、ひとりがアタックして、
確保点をつくりながら、安全ロープを伸ばし、
上部に確保点をつくった状態で、次の人が登る。
つまり一人が登っている間は、相方はロープの確保をしている。
休んでいるとも言える。
ところが、《単独》の場合、20mほど登り、
上部に確保点をつくり、いったん降りる。
下部に置いた荷物を背負い、途中の確保点の道具を、
回収しながら再び登り返す。
(上部の確保点のおかげで、自分で自分を確保している)
この繰り返しなので、通常の2倍の登攀をせねばならない。
これをしないと、もし滑落すると、確保点がないので、
危険極まりない命がけとなる。
単独とは、体力面でも精神的にも、相当ハードルが高い。
《無寄港》
これは昨日述べたので、すっとばそう。
《無補給》
食料や飲み物の補給は大問題である。
人間として、エネルギーが無いと、横断も縦断もできない。
カロリー計算が非常に大切となる。
仮に、三日であれば、なんとか全てを背負って踏破できる。
しかし、一週間だの一カ月だのという単位になれば、
途中のどこかに、補給点をもうけ、デポしておく必要がある。
デポとは、フランス語の《DEPOT》の略で、
「貯蔵する」 と訳すことができる。
山の中では、避難小屋などにあらかじめエポしておく。
冬山縦走の時に、デポ地点にたどり着くのを楽しみにしている。
背負っている食料がだんだん減っていくと不安になるものの、
重量がそれにつれ、軽くなるので嬉しくもある。
そんな時、デポ地点でご褒美のような美味しいモノが現れる。
と言っても、肉の缶詰だの冷凍肉だのに過ぎないのだが・・・
そして、補給地点から再び重い荷物を背負って歩き出す。
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っとここで、もう一つこの表記を足して置こう。
《無酸素》
ヒマラヤ系の高山では、酸素ボンベからの吸入が一般的。
一昨年の、マッターホルンの登攀では、4478mで、
地上の6割ほどの酸素量と示された。
その場所で激しい運動をするのは、キツい。
よもや8000mを越えれば、なにをかいわんや!
圧縮した酸素を小出しに吸うという山岳テクニックが生まれた。
ただしそれに逆らうかのように、《無酸素登山》での挑戦も。
っとここでもうひとつ足そう。
《連続》
ひとつの危険な山に登ったあと、
すぐ違う危険な山に連続して登る。
ひとつでさえ、危険極まりないチャレンジなのに、
ふたつみっつと、連続する。
さらに増やそう
《最年少》
どのスポーツにもある最も若い年齢でのチャレンジである。
競おうにも、オジサンには、縁遠い話だ。
そこで、これらをすべて繋ぐとこうなる。
《最高峰3座連続冬季単独無補給無酸素最年少記録》
マッターホルン3000m地点 ヘルンリ小屋への道を登る